カラシニコフのAKをベースにした中国の56式自動歩槍
Military Images/Legion Media「ソ連は中国にAK生産の権利を1956年に与えている。初期の中国製アサルトライフルはかなり良かったが、次第に品質はぐっと落ちていった。例えば、バレルがレシーバーの中でぐらついていることさえあった。これは想像もできないことだが、実際にあったのだ」とカラシニコフ・コンツェルン軍事技術協力部長のウラジーミル・オノコイ氏は言う。
中国の工場は次第に「生産を合理化、費用を削減」し始めたが、これがより深刻な結果につながった。とはいえ、品質の低さは価格の低さに相殺される。カラシニコフ・コンツェルンの専門家によれば、中古のAKは国際市場で平均400ドルで売られているが、中国製品は新品でもわずか93ドルだという。
「中国製AKの主な問題点は、低品質のスプリングとエキストラクター、セーフティー機構、そして精度の低さだが、それだけではない。チューインガムのアルミホイルでできていると言う者までいる」とロバエフ・アームズ社で主任技師を務める元狙撃手のユーリー・シニチキン氏は話す。
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イラク版のAK
Military Images/Legion Media「イラクはユーゴスラビアからAK生産の権利を得たが、ユーゴはそもそも公式のライセンスを持っていなかった。実質、イラク製AKは海賊版の海賊版だ」とオノコイ氏は言う。
当初の品質はさほど悪くなかったが、イランとの長い戦争やそれに続く経済危機を経て品質は悪化した。
イラク製AKはバレル内腔にクロムめっきが施されておらず、錆びやすい。小さな部品の耐熱性にも問題があり、リアサイトが割れたりする。
オノコイ氏によれば、「マガジンを粘着テープで固定した」イラク製AKも見たことがあるという。
センチュリー・アームズ社のAK47-RAS47
Jimmy Smith (CC BY-NC-ND 2.0)意外にも、オノコイ氏は世界最低のAKの一つに、世界一の経済・技術先進国である米国製のものを挙げる。
「米国には世界最高のAKメーカーと世界最悪のAKメーカーが併存している。コレクター向けに稀少なAKアサルトライフルを作る中小企業がある一方、信じられないほど酷いAKメーカーもある」と彼は指摘する。
同氏は最悪のAKメーカーとしてインター・オードナンス(Inter Ordnance)社を挙げる。中でも歪んだバレル、弱いボルト、組み立ての甘さが欠点だという。また、センチュリー・アームズ(Century Arms)社も質の悪いAKを製造しているという。
「こららは『一丁二役』と呼ばれている。アサルトライフルと手榴弾の機能を兼ね備えているからだ。普通の手榴弾と違うのは、いつ爆発してもおかしくないという点だ」とオノコイ氏は皮肉る。
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「エチオピアにおけるAK生産を確立したのは、どうやら北朝鮮の専門家らだ。エチオピア製アサルトライフルは耐食性の低さ、不格好な低質のリベット、低質のプラスチックが特徴だ。60年前のオリジナルのソ連製AKの方が、エチオピアの新しいコピー品よりも外見と性能で勝るほどだ」とオノコイ氏は話す。
パキスタン製AKは最も粗悪だと考えられている。大半が小さな村の銃職人によって作られているからだ。
オノコイ氏によれば、30丁のAKのうち20丁は50㍍先の標的にも当たらないという。弾が予測不能な方向に飛ぶからだ。
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