1. Mi-24「クロコジール」
この伝説的なヘリコプターは1971年に登場した。面白いことに、ソ連の開発者らはこの航空機をヘリコプターと兵員輸送車のハイブリッドとして見ていた。装甲や兵器に加え、Mi-24には戦場に向かう歩兵(最大8名)を乗せられる空間があり、上陸部隊を火力支援することもできた。
しかし、実際には歩兵を上陸させる作戦はめったになく、ヘリコプターは敵軍を攻撃するのに使われる方が多かった。NATO諸国では「ハインド」と呼ばれ、また外見がワニに似ていたことから、非公式に「クロコジール」(「クロコダイル」のロシア語読み)とも呼ばれていた。
長年、ヘリコプターは世界中の武力紛争で幾度となく使用され、アフガニスタン紛争ではソ連の有名なシンボルの一つとなった。
2. Mi-28「ノチノーイ・オホートニク」
このヘリコプターが最初に現れたのは1987年だ。それ以来、改良された派生版もいくつか市場に登場している。Mi-28は対戦車攻撃ヘリコプターで、昼も夜も天候を問わず活動できることから「ノチノーイ・オホートニク」(「夜の狩人」の意)の通称が付いた。Mi-24とは異なり、歩兵を搭乗させる空間はなく、操縦士と射撃手しか乗れない。
このヘリコプターは各種のミサイルを搭載でき、毎秒200~800発の射撃速度を持つ機関砲を備えている。
Mi-28はケニアやアルジェリア、インド、イラク、ベネズエラなどの国々に輸出されている。
3. Ka-52「アリガートル」
1980年代、カモフ設計局のソ連の技師らが一人乗りの新ヘリコプターを作った。Ka-50「チョールナヤ・アクーラ」(「黒い鮫」の意)だ。革命的な操作性を誇ったが、やはり一人で操縦するには難点もあった。
この問題はロシアの技師らが2人乗りタイプのKa-52を作ったことで解決した。量産は2008年に始まった。通称「アリガートル」(「アリゲーター」のロシア語読み)のKa-52は昼夜を問わず飛行でき、天候にも左右されない。「ノチノーイ・オホートニク」と同じ機関砲を装備している。
4. Mi-8
この双発タービン・ヘリコプターは前出のどのヘリコプターよりも大きい。Mi-8は輸送ヘリコプターだが、民間用にも軍用にも(空中指揮機、攻撃ヘリ、偵察機として)用いられる。
Mi-8はどのヘリコプターよりも時の試練に耐えている。量産が始まったのは1967年だが、現在も製造されており、史上最も量産されたヘリコプターとなっている。
Mi-8はロシア国内外で広く用いられているため、派生型がいくつも存在し、いずれも民間用・軍用のさまざまな用途(捜索・救助活動や対人地雷の敷設、人員・貨物輸送など)に特化している。
5. Mi-26
Mi-26は史上最大の量産ヘリコプターだ。多目的ヘリコプターとして1980年にデビューし、今なお生産が続いている。Mi-8と同様、民間でも軍でも運用されている。
このヘリコプターの主要な任務は重い貨物を運ぶことだ。登場後間もなく、この空飛ぶ巨人は当時世界最大のヘリコプターだったMi-6に取って代わった。Mi-26は前任機に比べて機内空間が2倍広く、最大20トンの貨物を運べる。
このヘリコプターのこれまでの活躍の中で特筆すべきなのが、チェルノブイリ原発事故の際の活動だ。損壊した原子炉に絶縁体を正確に投入し、事故を封じ込めた。
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