モスクワで空飛ぶタクシーが試験中(写真+動画特集)

HOVERSURF
 自動運転の空飛ぶタクシーが、早ければ2023年~2025年にモスクワの空を飛び始めるかもしれない。現在、モスクワのスタジアムの閉鎖的な空間で試験が行われている。

 『ポプリャールナヤ・メハニカ』誌によれば、2021年1月、無人輸送機を製造しているロシアのホバーサーフ(Hoversurf)社が、空飛ぶタクシー「ホバー」(Hover)の試験を始めたという。このタクシーは無人航空機で、乗客や貨物を空輸できる。 

 タス通信がモスクワ企業イノベーション発展局の広報部の情報として報じたところによれば、空飛ぶタクシーは5×1.6メートルのドローンだという。これは標準的な自動車の大きさと変わらない。この車は高さ150メートルまで上昇でき、航続距離は最大100キロメートルだ。この機体のために特別な滑走路を設ける必要はない。ドローンは一般車用の駐車場に着陸でき、停留所で操作してガレージに入ることもできる。2人乗りで、最大積載量は300キログラム、最高速度は時速200キロメートルだ。

 ドローンの試験は、スポーツ複合施設ルジニキ・スタジアムの閉鎖空間で行われている。現在は離陸や着陸、水平飛行を複数のエンジン・グループが担う「リフト・アンド・クルーズ」という飛行モードでの試験が行われている。また、乗員とドローンそのものを救う必要のある緊急事態用のパラシュートの動作も試験されている。

 空飛ぶタクシーの開発は、発明家・実業家のアレクサンドル・アタマノフ氏が始めた。彼は2018年にホバーサーフ社を創業した人物だ。空飛ぶタクシーの他、ホバーサーフ社は空飛ぶバイク「ホバーバイク」も作っており、アタマノフ氏が2016年に公開している。

 「ホバーバイク」の最大飛行時間は40分で、最高速度は時速96キロメートルだ。スコルコヴォで開かれた会議「スタートアップ・ヴィレッジ」でその飛行試験を公開した後、同社は3500件の予約注文を受けた。Vc.ruが2019年に行ったインタビューでアタマノフ氏は、現在バイクは個別に売られており、その組立てには約一ヶ月を要していると話している。 

 「ポプリャールナヤ・メハニカ」誌のインタビューで、アタマノフ氏は「ホバータクシー」のほうが量産の見込みが高いと話している。彼によれば、2021年春までに、モスクワ市当局がスコルコヴォに5G完備の新しい試験場を建設するという。これにより、人工知能で働く操作システムに磨きを掛けることができる。システムはルートを設定し、機体を操作し、飛行の安全を守る。 

 ホバーサーフ社の予想では、同社は空飛ぶタクシーの最初の量産モデルの製造を2021年に開始できるというが、大量に利用可能になるのは2023年~2025年頃、つまりロシアに5G網が整備され、国内でこうした無人機が飛行することを許す法律が可決された後になるという。

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