ロシアのウラル車両工場が10月初旬に輸出用の最新歩兵戦闘車「マヌル」を公開した。
これは第3シリーズの歩兵戦闘車(BMP-3M)を最新化したもので、2020年にロシア軍に配備された。
「新しい点は、後部から上陸部隊を降ろすためのスロープが付けられ、側面の防御力が高められ、660馬力のターボエンジンが搭載されたことだ」と軍事科学アカデミーのヴァジム・コジュリン氏はロシア・ビヨンドに語る。
彼によれば、BMP-3と比べて改善されたのは、最新の射撃統制システムが搭載された点で、これにより車両は自動的に標的を識別してコンピューター画面に映し出し、最大4キロメートル先の標的を攻撃できる。
マヌルの主砲は装弾数500発の30 mm機関砲2A42で、射程は4キロメートルだ。この砲弾は軽装甲車の装甲板を貫き、最新の装甲板を持つ戦車さえ故障させることができる。
またマヌルには、主砲に加え、7.62×54 mm弾を使用する装弾数2000発の機関銃も搭載されている。
「マヌルの射撃統制システムは、パッシブモードとアクティブモードのさまざまなスペクトル帯域でカムフラージュされた標的を見つけ出すことができる。コンピューターは容易に目標を捕捉し、車長の指示があれば、移動する標的に向けて連射を浴びさせることができる」とコジュリン氏は補足する。
マヌルの最大の武器は、射程8キロメートルの対戦車誘導ミサイル「コルネット」で、14センチメートル以下の均質圧延装甲板を「焼いて」貫通する。
専門家の考えでは、コルネットは現在世界で最も危険な対戦車ミサイル複合だという。
「国外市場では、マヌルは米国の歩兵戦闘車M2ブラッドレーと競合することになるだろう。M2ブラッドレーの主砲は25 mm機関砲だから、ロシアのマヌルのほうが火力は勝っている。防御力を比べると、両者とも前部に25〜30 mmの砲弾を食らっても平気で、側面も擲弾発射器RPG-7の攻撃に耐えられる」と専門家は指摘する。
彼が強調するように、M2ブラッドレーは爆発反応装甲板を備えるため重量が約30トンとマヌルより遥かに重い。また、M2ブラッドレーは6人の上陸部隊員しか輸送できないが、マヌルは最大で10人乗せられる。
「マヌルを輸出する可能性は高い。コロナウイルスとの戦いが終わり、市場に日常が戻れば、どの国がこれを必要としているかが分かるだろう。まず、南米、アフリカ、東南アジアの国々が興味を示すはずだ」と専門家は締め括る。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。