ロシアは去年どの兵器をどの国に売ったか

中国航空ショー2014で展示されたSu-35戦闘機

中国航空ショー2014で展示されたSu-35戦闘機

AFP
 ロシアは世界第2位の武器輸出国である。ちなみに、昨年最も恐ろしい兵器を購入したのはあるNATO加盟国だ。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は4月初め、国際社会における兵器協力について総括した。大統領によれば、2019年にロシア政府は総額約150億ドルの兵器を取引相手国に供給した。しかも、2020年4月までの受注高は合わせて550億ドル以上になる。相手国はおよそ百ヶ国だ。

 「むろん、とりわけシリアで本領を発揮したロシア製兵器の実績が有利に働いている。性能の高さ、正確さ、頑丈さ、扱いやすさが世界の武器市場での需要の高さを決定付けている」とプーチン大統領は強調した。

 現在ロシアは武器輸出国として世界第2位である。主要なライバルは米国だ。ロシアの軍需企業は、自分たちの地位が米国の主要な武器市場でも固まりつつあると請け合う。

Su-30前線戦闘機の前に行進しているインド航空軍人

 「ロシアの軍需企業は軍用品の輸出品目に新兵器を追加していっている。防空システムや一斉砲撃兵器、軍用車両、対無人機兵器などだ。これにより、過去数年でロシアは東南アジア、中近東、アフリカでの地位を固めた」と国営企業「ロステフ」は発表している

どの国が何をロシアから買ったか

 ここ数年、ロシアは630機以上のSu-30前線戦闘機を生産し、ロシア航空宇宙軍だけでなく、アルジェリア軍、アルメニア軍、中国軍、インド軍にも提供している。

 最も多くのSu-30戦闘機を購入したのはインドで、300機以上を手に入れた。さらにインドには41機のMiG-29K/KUB艦上戦闘機が配備されている。この戦闘機が気に入ったインド政府は、さらに21機をできるだけ早く購入することを目指してロシア政府と交渉している。現段階では取引総額は明らかにされていない。

トルコに出荷されている防空システムS-400の部品

 これと並行して、ロシア政府は4++世代のSu-35戦闘機を中国やエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコに供給すべく交渉を進めている。

 ちなみにトルコは昨年ロシアの最大の兵器取引相手国になるところだった。トルコ(NATO加盟国で米国製兵器の主要な買い手)は、2019年に防空システムS-400「トリウンフ」を手に入れた最初の国の一つとなった。トルコは約25億ドルで4大隊分のS-400を購入した。

トルコが購入した防空システムS-400

 大隊1個は4発のミサイルを搭載した4基の発射装置から成る。つまり大隊1個は、200キロメートル先の第5世代戦闘機や巡航ミサイルを迎撃できる対空ミサイルを16発備えていることになる。

 さらに契約内容には予備のミサイルの購入も含まれており、実戦配備されることになっている。その上、数両の輸送起立発射機、レーダー基地、司令ポイント、一連の供給車両も購入される。また、この兵器を使用することになるトルコの防空部隊の兵士らがロシアで研修を受ける予定だ。

 現在ロシアはもう一つの米国の友好国、UAEを引き込もうとしている。2000年代初頭、同国はロシア製の軽装甲歩兵戦闘車BMP-3を千両以上購入した。兵器展示会「IDEX 2019」の一環でUAEは総額271万ドルでBPM-3を最新化する契約を結んだ。

軽装甲歩兵戦闘車BMP-3

 これと並行して、ロシアはUAEに無人機や低空飛行する飛翔体を迎撃する最新兵器AU-220を粘り強く売り込もうとしている。対空砲AU-220は最新の航空機の装甲を破ることのできる57mm砲を備えている。

 またモスクワは、イラクに重火力投射システムTOS-1A「ソンツェピョーク」とMi-28Nヘリコプター、Mi-35ヘリコプター、対空ミサイル砲複合「パンツィリ-S1」、T-90戦車を供給する契約を結んだ。総額は17億ドルに上る。

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