カラシニコフ・コンツェルンが、8月末に兵器展示会アルミヤ2020でAK-12と同じ5.54×39 mm弾を使う軽機関銃RPL-20を発表した。特殊部隊用の新開発品だ。
コンツェルンの発表によれば、新マシンガンは軽機関銃RPL-16をベースに作られ、実戦運用の経験を踏まえた改良が施されている。まだ試作品が作られただけで、現在工場で試験を経ている段階だ。
RPL-20の特徴とRPL-16との違い
これまでロシアにはAK-74MやAK-12と同じ弾薬を使うマシンガンはなかった。RPL-20は全く新しい開発品で、その「中身」についてはコンツェルンは何も公表していない。
「RPLの『内臓』について語ることはできない。機密だからだ。おまけに、まだ特許を受けていない。したがって、我々の新マシンガンの技術を盗まれて、自らの開発品であるかのように偽られないようにするため、銃の中身についてはまだ言えない」と軍事技術協力部長のウラジーミル・オノコイ氏はロシア・ビヨンドに話す。
なお、中身がカラシニコフ機関銃PKMなのか、それとも完全に新しい機構なのかも今は断言できない。
今は我々が話すことができる、また話す必要があるマシンガンの外装にだけ集中しよう。特殊部隊員の活動を楽にする工夫が凝らされている。
まず、新マシンガンには従来の銃と比べて機能面での違いがいくつもある。例えば、5.54×39 mm弾が100発入る新しいベルト給弾用繊維製弾薬箱だ。これは重要な機能的特徴で、これにより、射撃手が再装填までに使える弾薬数に限りがなくなる。助手が手渡す300発、500発、700発用のベルトの連結を妨げるものは何もなくなる。
「RPL-20は、ベルギー製のライバル、FNミニミより2.3キログラム軽い。ミニミは、ベルト給弾式マシンガンとして最も有名で最も軽い。これは非常に重要なことだ。弾薬を装填したマシンガンの3分の1の重量だ。これはとてもクールで、信じ難いことだ」とオノコイ氏は言う。
しかも、銃は右利き用、左利き用にモードを切り替えることができ、脚架や照準装置、射撃を快適にする調節可能な頬当て(銃を自分の体型に合わせることができる、ストックの調節可能な台)も新しくなった。
「マシンガンが現在の形で特殊部隊と軍に提供される可能性は高い。軍事試験や軍との交渉における状況は非常に単純で、分かりやすく、透明性が高い。万事上手くいくと思う。近いうちに、銃は我々がアルミヤ2020で披露したままの形で採用されるだろう」とカラシニコフ・コンツェルンの代表者は指摘する。
彼によれば、RPL-20のバレルは着脱式で、短いものや長いものに取り替えられる。「長いバレルは一キロメートル以内の射撃を可能にする。短いバレルは300メートル以内の標準的なAKの射程での射撃を可能にする」とオノコイ氏は補足する。
RPL-20の開発におけるリスクとコストは、すべてカラシニコフ・コンツェルンが引き受けた。よって銃はロシアの軍機構によって発注されたものではない。
カラシニコフ・コンツェルン社員によれば、国家試験がどのように行われ、国防省の将軍らがどのような判断を下すかが明らかになるのは来年のことだという。次回の兵器展示会アルミヤ2021の開催時に、同社は開発品の運命について発表する可能性がある。