米国のストームブレイカー対ロシアのドレーリ、どちらが恐ろしいか

Dmitry Reshetnikov/TASS
 2つの新しい高性能爆弾が国際市場に登場する。その長所と短所を比較した。

 米国で半自動高精度兵器複合ゴールデン・ホード(「金帳汗国」の意)の一部を成す航空爆弾GBU-53/Bストームブレイカーの試験が成功した。同時に、ロシア軍は一個砲兵大隊を殲滅できる滑空爆弾ドレーリ(「ドリル」の意)の試験を始めた。どちらの爆弾がより効果的だろうか。

米国のGBU-53/Bストームブレイカー?

 レイセオン・エア・ウォーフェア・システムズ社(航空爆弾メーカー)のマイク・ジャレット副社長は、同社の開発品を軍備における新概念と呼んでいる。

航空爆弾GBU-53/Bストームブレイカー

 「我々はSDB II(小直径爆弾)がゲームのルールを変えると考えている。この兵器は単に入力されたGPS座標の標的を破壊するだけではないからだ。この爆弾は自分で標的を見つけて破壊するのだ」とジャレット氏は話している

 米国の新爆弾の完全な名称は、「GBU-53/Bストームブレイカー」だ。これはいわゆる「賢い」爆弾で、人工知能システムと自動照準装置によって、地上の目標を自分で見つけ、選別し、標的が動いた場合には、当初の軌道を反れて標的を追跡できる。

 「照準システムは、改良された無線測位システムと赤外線センサーによって実現されている。人工知能は、メーカーの技師が搭載した目標に関するデータベースに基づいて目標の識別と『敵と味方』の区別を行う」と元イズベスチヤ紙軍事評論家のドミトリー・サフォノフ氏はロシア・ビヨンドに話す。

 同氏によれば、ストームブレイカーは一連の特徴が他の自己誘導爆弾と異なるという。目的地まで最大73キロメートル滑空できる動作モード、それから自動的に戦闘モードに移り、人間が介入することなく標的を特定・破壊する。しかも、悪天候や霧、暗闇など、視界の悪い条件でも正常に機能する。

 当初の名称「SDB II」が表すように、ストームブレイカーは114キログラム未満とかなり小さい。したがって、飛行機はこの爆弾を大量に搭載できる。F-15Eは一度に最大28発、F-35は最大24発のストームブレイカーを載せることができる。将来的にはストームブレイカーの互換性を高め、B-52、B-1B、B-2爆撃機にも搭載できるようになる予定だ。爆撃機はこの爆弾を一度に百発近く運べるようになるだろう。

 ロシアにも同レベルの開発品がある。2020年末までに軍での配備が始まる予定だ。

ロシアのドレーリ?

滑空爆弾ドレーリ

 ドレーリは銅製の芯を持つ子弾15個から成るクラスター爆弾だ。秒速3キロメートルの速度で飛散し、いかなる装甲車両も貫通する。

 これは自由滑空爆弾でもある。エンジンが不要なため、ミサイルに比べてこの爆弾は何倍も安価な兵器となっている。しかも、ドレーリの総重量(500キログラム)の70パーセントを爆発物が占めている。つまり、爆弾一発につき銅の芯入りの爆発物が370キログラム以上詰まっているのだ。銅の芯は爆発とともに秒速3キロメートルであらゆる方向に飛散する。

 新しい航空爆弾は目標から最大30キロメートル離れたところから投下でき、(前世紀の無誘導爆弾とは異なり)GLONASS誘導システムによって目標を正確に破壊できる。 

 しかも、兵器開発者らは将来的にこの開発品に高出力エンジンを搭載し、ドレーリの航続距離を格段に伸ばすことを計画している。

 「我々の爆弾は米国の爆弾と威力が異なる。米国のものは飛距離が長く精度も高いが、製造コストが大きい。米国の技師の成果はロシアの技師を刺激し、軍に配備されるまでに、飛距離は米国のものに匹敵するまでに伸ばされるだろう」とサフォノフ氏は締めくくる。

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