想定されているPAK DAのデザイン
PowerRossiya/YouTube5月末、ロシアはいわゆる「長距離飛行用将来航空複合」(PAK DA)の試作機の製造を開始した。PAK DAとは、自国領から出ることなく大陸間弾道ミサイルを発射できる新世代戦略爆撃機だ。
ロシアメディアによれば、現在技師らはすでにコックピットの製造を終えており、機体全体も2021年半ばまでには完成する予定だという。工程にコロナウイルスのパンデミックの影響はないとのことだ。
PAK DAの詳細は国家機密であるため、我々が話せるのはツポレフ設計局の開発者が明かした一部の情報だけだ。
戦略爆撃機Tu-160
AP爆撃機は全翼機(機体と主翼・尾翼とが一体となった航空機)で、最大速度時速1190キロメートルの亜音速で飛行する。これは将来PAK DAが取って代わる予定の戦略爆撃機Tu-160よりもかなり遅い。
「旧世代の戦略爆撃機Tu-160は敵の防空システムを破るために作られた。超音速飛行と飛行性能によって、敵の迎撃機や対空ミサイルを避けて成層圏に行き、そこから敵国領土に爆弾を投下する。一方、新世代のPAK DAは、ロシアの領空から出ることなく核ミサイルを発射できる」と軍事科学アカデミーのヴァジム・コジュリン教授は話す。
現在ロシアの軍用機は射程5000キロメートルの強力な長距離ミサイル、Kh-555やKh-101を搭載しており、長距離爆撃機を使う必要がなくなってきている。新しい戦略爆撃機は、基本的にロシア領から出ることなく、自国の防空システムに守られたまま任務を遂行できる。
「長距離飛行用将来航空複合」(PAK DA)
Vienna Arsenal/YouTubeまた、機体は電波を吸収するステルス素材でできており、ミサイルは機体内に隠される。
コジュリン氏によれば、PAK DAは一機で最大40トンのミサイルや爆弾を搭載できる。
「新型機には、核爆弾から、徹甲爆弾、地中貫通爆弾、クラスター爆弾などの従来型の爆弾まで、あらゆる爆弾を搭載できる」と同氏は締めくくる。
メディアの報道では、PAK DAはマイナス60℃からプラス50℃までの環境で最大30時間飛行できるという。
耐用年数は12年以上で、然るべきメンテナンスを受ければ21年持つとされる。
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