米国のF-15戦闘機のテクノロジーを備えたソ連のSu-27戦闘機の実力

Fedor Leukhin (CC BY-SA 2.0)
 あまり知られていないが、最も量産されているロシアのSu-27戦闘機は米国のテクノロジーを一部受け継いでおり、そのおかげで30以上の世界記録を樹立することができた。

 Su-27(NATOでのコードネームは「フランカー」)は多目的迎撃戦闘機で、昼夜を問わずいかなる気象条件でも戦闘任務をこなせる。

 当初、ソ連時代の大部分の兵器と同じく、同機は米国のライバルに対抗して作られた。この場合は全特徴においてF-15「イーグル」を上回る必要があった。

 「80年代初め、ソ連の諜報員がマクドネル・ダグラス社で作られたF-15『イーグル』の設計図を何らかの方法で入手し、スホイ設計局に渡した。この設計図を基に最初の試作機が作られ、あらゆる試験に掛けられた」とタス通信の軍事評論家、ビクトル・リトフキン氏は話す。 

Su-27P

 同氏によれば、諜報データは不完全で、ロシア版F-15「イーグル」は超音速で飛行することも、空気力学的な数値も、当時の最新鋭機と空中で対戦することになる戦闘機に相応しいものではなかったという。

 「結局1970年代の最新のテクノロジーを考慮して既存のモデルを改良することになり、1981年にはT-10Sの最初の試作機が空に飛び立った。これが後にSu-27として知られることとなるモデルだ」と評論家は続ける。

 同氏によれば、その後同機はSu-27と名付けられ、飛行高度や積載能力、その他多数の特徴で30余りの世界記録を打ち立てることとなる。

 「現在スホイ設計局の後継機(Su-30、Su-34、Su-35、Su-57など)はすべてSu-27をベースに作られている」と専門家は締めくくる。

運用方法

Su-27

 現在Su-27の主要な役割は広範囲で迎撃任務をこなすことだ。同機は防空軍の部隊や編隊で運用されており、戦時には空中での覇権をめぐって敵の戦闘機や爆撃機と対戦しなければならない。 

 しかもSu-27の後継機はシリアなどで戦火の洗礼を受けている。例えば艦上戦闘機Su-33は空母「アドミラル・クズネツォフ」から定期的に発進し、「イスラム国」の戦闘員らの陣地に打撃を与えている。前線爆撃機Su-34とSu-35は現在に至るまでシリアで活動しているロシア航空宇宙軍の主戦力であり、これらの爆撃機がシリアでの戦局を変えたと言っても過言ではない。

 現在Su-27はロシア空軍の主力戦闘機の一つであり、独立国家共同体諸国やインド、中国などの国々で実戦配備されている。 

Su-27の特徴

翼幅:14.7メートル

翼の面積:62平方メートル

全長:21.935メートル

全高:5.935メートル

機体重量:16000キログラム

最大離陸重量:30000キログラム

エンジンの種類:AL31F

噴射時のエンジンの牽引力:2×12500重量キログラム

最高速度:時速2500キロメートル

航続距離:3900キロメートル

実用上昇限度:18500メートル

離陸滑走距離:650~700メートル

着陸滑走距離:620~700メートル

定員:1名

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