AK-47の三大欠点

AFP
 一億丁が製造され、世界で最も普及している自動小銃にも、欠点はある。

 自動小銃のプラットフォームAKは、頑丈で製造が簡単なため世界中で人気を博している。今日世界55ヶ国に約一億丁のカラシニコフ自動小銃がある。これはあくまで公式に登録されている数で、手製の海賊版は計上されていない。第三世界で独立を目指して活動するパルチザンや戦闘員がこの銃を所持している姿も見ることができる。

 AK-47は犯罪世界でも人気だ。例えば、中南米の麻薬カルテルのメンバーは、この銃に「クウェルノ・デ・チーボ」(「ヤギの角」の意。マガジンの形状が由来か)という愛称まで与えている。

 しかし、これほど人気の銃にも、それなりの欠点がある。詳しくお話ししよう。

反動

 主なライバル(米国のAR-15やドイツのH&K 416)と比べてロシアのAKが劣っているのは、まず反動だ。外国の自動小銃に比べて反動が数倍大きい。

 「AR-15のプラットフォームの反動は、AKよりも小さい。『衝撃』が直接肩に来て、射撃時のライフルの跳ね上がりが小さい。要するに、ライフルを元の位置に戻す必要がなく、同じ標的に向けて連射ができる」とロシア治安機関の現役職員が匿名を条件にロシア・ビヨンドに語る。彼によれば、これはライバルと比べた時のAKの最大の欠点の一つだという。

カスタムの可能性

 この点についても、外国製品のほうが簡単だと先の治安職員は考えている。

 「任務の前はいつも、銃を自分に合わせてカスタムしたいものだ。しかし、AKはこの点でARより難しい。ストック、グリップ、サイト、その他もろもろの選択肢が、ロシア製小銃よりも外国製ライフルのほうが遥かに大きいからだ。したがって、あるものでカスタムしなければならない」と特殊部隊員は続ける。

 彼によれば、ライフルのカスタムにおいて特に重要な部品がトリガー(ハンマー)だという。「トリガー・ハンマー機構は、車のエンジンとクラッチに例えることができる。『アクセルの遊び』が小さくエンジンの感度が高いほど、戦闘においては便利で効率が良い」と彼は付言する。

集弾率

 外国製ライフルは集弾率の点でもAK-47に勝っている。

 「ユージン・ストーナー(米国のM16の開発者)は長距離射撃での命中精度を高めるため自身のライフルのバレルを長くした。彼はまた、ライフルの精度を改善するため全く異なる小口径の弾薬(AK-47の7.62mmに対し、M16は5.5 mm)を採用した。ロシア製ライフルもAK-74で同じような過程を経たが、70年代のことだった」と軍事科学大学のヴァジム・コジュリン教授はロシア・ビヨンドに語る。

 彼によれば、M16の軽い弾丸は、秒速900メートルでライフルから飛び出し、しかも運動エネルギーと弾道を失わない。

 集弾性の問題については、先の特殊部隊員も同意している。彼によれば、600~700メートルの長距離の銃撃戦では100パーセント米国製のプラットフォームを選ぶという。

 これら3つの短所にもかかわらず、AKには世界中で栄光を手にすることとなった多くの長所がある

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