日露が放射線被曝者を避難させるロボットを共同開発

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ロシア・ビヨンド
 9月23日に行われた日露学長フォーラムの開会式で、モスクワ大学のビクトル・サドーヴニチィ学長は、放射線被曝者を避難させるロボットを日露で共同開発することを発表した。

 「被曝者を避難させる移動式のロボット医療モジュールを開発する試みは存在するが、今のところ成功していない」とサドーヴニチィ学長は指摘する

 学長によると、現在では放射線被曝者の避難には、例えば交通手段や廊下、病室を「包む」ポリエチレンフィルムなど、さまざまな即興的手段が用いられている。同氏は「これでは完全な隔離は保証できない。しかも利用にコストがかかる。しかし、我々には悪くないプロジェクトがある。モスクワ大学で開発された医療ロボット『アンゲル』(”天使”)をベースに、放射線熱傷を負った人を遠隔操作で救護するシステムと、避難用の移動式医療モジュールを作っている」と説明する

 「アンゲル(”天使”)は、2017年に専門家らが公開した医療ロボットで、血圧、体温、血中の酸素濃度を測定し、必要な薬の分量を特定する。「アンゲル」はまた、10の重篤な症状(卒中、昏睡など)を特定し、病院の医師に伝えることができる。ロボットは手動または自動モードで動くため、例えば放射能汚染された場所など、極めて危険な条件下にいる負傷者を救護するのに使用できる。