ロシアが大規模な対テロ戦争を準備

セルゲイ・ピヴォヴァロフ/Sputnik
 12万8000人以上の兵士、600機の航空機、2万点の軍用機器が今年最大の「作戦」に参加した。

 ロシアが今年最大の軍事演習「ツェントル2019」を開催し、ロシア軍、中国軍、インド軍が対イスラム過激派共同作戦の訓練を行った。 

 9月16日から21日までロシア中央連邦管区内で開催された演習のシナリオは、架空の国の戦闘員が、政情不安の助長と内戦の扇動を狙って隣国に潜入するというものだった。

 

「戦闘員」との戦争 

 参加国の軍隊は、脅威に対し2段階の対応をせねばならなかった。 

 最初の課題は、自国内でテロリストの所在地を特定することだ。その後、即応チームと作戦計画チームが任務の遂行と戦闘地域への投入に必要な派遣部隊を即座に決定しなければならない。 

 次に、秘密作戦の一環で敵の背後に回った参加国の部隊が敵に大打撃を加える。隠れ家から敵を燻り出し、首謀者を含む戦闘員全員を抹殺せねばならない。 

 ロシア・ビヨンドがロシア国防省から得た情報によれば、ロシア、インド、中国、カザフスタン、ウズベキスタンから計12万8000人の兵士が演習に参加した。彼らは600機のロシア空軍機、ロシア空挺軍の地上部隊に伴われ、合わせておよそ2万点の軍用機器が使用された。

 

装甲と兵器のテスト 

 演習の主要な目的は、同盟国との関係を発展させることだけでなく、実戦に近い状況で最新の武器と装甲とをテストすることだった。 

 何よりも、イズベスチヤ紙の軍事評論家、ドミトリー・サフォノフ氏によれば、ロシア軍司令部はT-14「アルマータ」戦車の新しい装甲の実戦での効果をテストすることを狙っていた。

 「戦車は周囲に軍の二段ベッドの手すりを思わせる層状シールドを装着している。これは成形炸薬弾や対戦車誘導ミサイルなど、最も破壊力のある兵器から車体を守る」とサフォノフ氏はロシア・ビヨンドに話す。 

 演習でテストされることになっていた新しい「外骨格」の課題は、砲弾の命中時に弾頭を変形させ、爆発のエネルギーの一部を発散させることだ。

 しかし、サフォノフ氏の意見では、これは、爆発反応装甲のようなより高価なものには劣るという。

 「問題のスラット装甲はより安く、技術的に単純で、市街戦ではエンジンやトランスミッションの防御レベルを何倍にも高める。だが一番の欠点は、多才性に欠けることだ。スラット装甲は、ある種の携帯式対戦車擲弾から装備を守るのには効果的だ。しかし、その他の破壊要因を想定した演習でどのような効果を見せるかは現時点では分からない」と同氏は指摘する。

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