カラシニコフ・コンツェルンが、今年6月24日に新しい無人航空機(UAV)システム、「ザラ・ランツェット」を公開した。これは爆弾を搭載する自爆UAVのプラットフォームである。
カラシニコフ・コンツェルンによれば、このUAVシステムはすでに試験を経ている。
「ザラ・ランツェット」は「賢い」多目的兵器で、自動的に目標を発見・攻撃する。この兵器は高精度攻撃部品、偵察・誘導・連絡モジュールから成る。無人機は自分で偵察を行い、地上ないし海上のインフラは必要としない。
「ザラ・ランツェット」は複数の照準システムを搭載している。座標特定システムと光電子工学システムだ。また、このUAVシステムは映像を送信し、攻撃の成功を確かなものにするために利用される。攻撃部品の起爆装置は接触前起動システムを備えており、目標の数㍍手前で爆発して被害を大きくすることができる。UAVの活動範囲は40㌖だ。最大離陸重量は12㌕である。
カラシニコフ・コンツェルンの技師らによれば、この比較的安価な兵器は、テロリストや敵軍が使用する数百万㌦相当の戦車や装甲車を攻撃できる。12㌔爆弾を積んだUAV一機では現代の戦車や最新の軽装甲車を完全に爆破することはできないが、戦場で機能停止に陥らせることはできる。
このような自爆UAVシステムは、安価な無人航空艦隊を開発するという時代の流れを反映したもので、今後の戦争の姿を変えることになるかもしれない。
「こうした兵器の使用は、砲撃システムや戦車などを戦場まで輸送して配置するよりも安い。『ランツェット』のような無人機はミニバンやトラックに最大10機積むことができ、敵の前線から40㌖離れたところに車を停め、敵に爆弾の雨を浴びせることができる」とカラシニコフ・コンツェルン傘下のザラ・アエロ・グループで特別プロジェクト開発チームを主導しているゲンナージー・ロシュコフ氏はロシア・ビヨンドに話す。
この兵器の開発の次なるステップは、人工知能を備えたこうしたUAVの飛行大隊を作ることだ。人工知能によって標的が民間用か軍事用かを自分で識別し、集団行動の統率を取り、人間が介在せずに自己決定ができるようになる。
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