ロシアが新兵器である「21世紀のカチューシャ」、多連装ロケットランチャー「トルナードG」を購入した。ロシア軍に残るソ連時代の旧式の同型兵器に取って代わる予定だ。
このロケットランチャー・システムの最初の完成品はすでにヴォルゴグラード(モスクワの970キロメートル南)近郊の陸軍部隊の戦列に加わっており、今後ロシア全土に配備される予定だ。
「トルナード」の特徴
新型兵器の大半がそうであるように、「トルナード」の開発の詳細は伏せられており、神話や伝説が山のように生まれている。噂の多くは、兵器が信じ難い破壊力を持ち、その威力たるや核ミサイルや巡航ミサイルも羨むしかないというものだ。
実際には、「トルナード」は122 mmと300 mm口径の2つのバージョンが開発されている。一台につき40本の筒状発射装置が搭載されており、その一斉射撃は一見第二次世界大戦映画に登場するソビエト軍の有名な兵器「カチューシャ」を思わせる。
技術の向上により、「トルナード」が発射できるロケット弾の種類は格段に増えた。現在「トルナードG」専用の新ロケット弾が4つ開発されたことが知られている。2つはクラスター弾頭を備えたもので、2つは弾頭信管榴弾だ。インターネット上の一部の専門家は、ロケット弾が100キロメートル飛翔して敵を攻撃できると主張しているが、最大射程は40キロメートル未満である。
また、この兵器は最新の遠隔制御誘導システムを備えており、兵員(今では2人で済む)は車内から外に出ることなく狙いを定め、ロケット弾を誘導し、ロックオンし、目標を攻撃できる。加えて、「トルナードG」に搭載された衛星ナビゲーションの「閉じた」システムは、上で述べたすべてのことと合わせて、この兵器の火力をソビエト製の同型兵器よりも格段に向上させている。結果として、陣地が整備されているかいないかにかかわらず、展開にかかる時間が縮小され、射撃の精度も向上した。
しかも「トルナードG」は、40発のロケット弾は20秒で撃ち尽くし、30秒で戦闘態勢から移動態勢に移行、次の発射地点に向かったり、掩蔽地に弾薬の装填に向かったりできる。