近くロシアが世界に類を見ない最新兵器を実戦配備する見込み

ロシア、チェリャビンスク州カルタルイ市で開いている地下ミサイル格納庫のそばを通っているロシアの軍人。

ロシア、チェリャビンスク州カルタルイ市で開いている地下ミサイル格納庫のそばを通っているロシアの軍人。

Reuters
 ロシア軍は超音速テクノロジーを用いた兵器を有する唯一の軍隊となる。

超音速ミサイル

 これらの新兵器は今後10年間いかなるミサイル防衛システムでも迎撃し得ないものとなるだろう。これらのミサイルは秒速2.5キロメートルの速度(音速の8倍)で飛ぶからだ。

  国防省によれば、2017年にこうしたミサイルとして初めて試験されたのが、対艦ミサイル「ツィルコン」だ。

  現在唯一明らかになっているのは、「ツィルコン」の試作版が、500キロメートル先の目標を破壊できるということだ。開発者は今後システムの実験を重ねて秒速3.5キロメートルを達成するという野心的な目標を立てている。

  しかしながら、どの軍艦に新世代ミサイルが搭載されるかはまだ明らかでない。国内の専門家は、新兵器でまず最新化されるのはロシア製の大型の核ミサイル巡洋艦だろうと見ている。例えば、北方艦隊の旗艦「ピョートル大帝」だ。

解散式での旗艦「ピョートル大帝」。ストレロク湾。

  特筆すべきは、超音速ミサイルが世界のどの国にもまだ実戦配備されていないということだ。もしロシア軍が今年実験で数値を実証することができれば、「ツィルコン」は現行のミサイル防衛システムで迎撃できない世界初のミサイルとなる。

 米軍のミサイル防衛システム「イージス」が反撃に要する時間は8秒だ。

 さらに、ミサイル用超音速エンジンの登場はロシア戦略ロケット軍の姿をすっかり変えることになる。

 新型核ミサイル「サルマト」

  まもなくロシア軍の戦列に新しい大陸間弾道ミサイル「サルマト」が加わり、25年前に作られたRS-20V「ヴォエヴォダ」(NATOの分類ではSS-18 Mod.3「サタン」)に取って代わる予定だ。

25年前に作られたRS-20Vの代替品として開発された大陸間弾道ミサイルRS-28「サルマト」の落下試験。マキーエフロケット設計局が行った。「サルマト」は液体燃料にり加速された大重量の大陸間弾道ミサイル。

 「サルマト」級ミサイルの重量は100トンという途方もないものだ。この規模の兵器は数十年前なら機能性が悪く動作の鈍いものだった。しかし超音速テクノロジーが「無用の長物」を機敏な暴れ者に変える。

  目下「サルマト」は超音速(マッハ5、時速6120キロメートル)で目標まで飛ぶことができる。しかも、ミサイル防衛システムで迎撃されないよう、軌道を上下左右に変えることができる。

  その上、旧型ミサイルの航続距離が11000キロメートルだったのに対し、「サルマト」は17000キロメートルの距離を飛ぶことができる。 このように、このミサイルは理論上南極経由で目標まで飛ぶことができる。南極からミサイルが飛んでくることは誰も想定していない。

  「サルマト」は抑制力として作られている。このため新型ミサイルには、旧型とは異なり、10個の核弾頭ではなく15個以上のMIRV(複数個別誘導再突入体)が搭載される。

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