2020年代初めに登場するロシアの風変わりな兵器2選

「ロシア・コンテナ・コンプレックス・クラブK」

「ロシア・コンテナ・コンプレックス・クラブK」

Concern Morinformsystem-Agat JSC.
 ロシア軍が、火炎放射器と擲弾発射器とを兼ねるハイブリッド兵器と、恐ろしい海上ミサイルを運ぶための偽装格納庫を手に入れる。

① 新火炎放射器「スメーシ」

 2月初め、ロシア国防省が携帯式擲弾発射火炎放射器「スメーシ」の外観を公開した。開発の状況は機密扱いだが、ロシア・ビヨンドは新兵器に関する情報の一部を入手した。

 新兵器「スメーシ」の開発には、シリアの軍事作戦から、世界の隅々で特殊部隊が遂行している「極秘」任務まで、さまざまな紛争での戦闘活動で得られた経験が活かされている。

「『スメーシ』は、ロシア軍が現在採用している火炎放射器『シュメーリ』と同じ原理で作動すると推測される。この兵器は、実質的に可燃性物質のエアロゾルを噴射する『スプレー』だ。内部には弾薬があり、引き金を引けば起爆して銃身から炎の筋を放出する」と「イズベスチヤ」紙の元軍事評論家ドミトリー・サフォノフ氏はロシア・ビヨンドに話す。

新兵器「スメーシ」のイメージ

 彼によれば、新兵器は30㍍以内の戦闘および「建物から戦闘員を燻り出す必要がある」場合に用いられる。なお同氏の考えでは、新火炎放射器では従来のあらゆる「携帯式火器」の問題が克服されるという。

「第一次世界大戦の頃から、火炎放射器は敵だけでなく自軍の兵士らにとっても非常に危険な兵器だった。可燃性の混合物の入ったタンクは、被弾すれば兵士の背中で爆発する可能性があった。新兵器では、この問題が完全に解消されるだろう」とサフォノフ氏は指摘する。

② タンカーに乗った「カリブル」ミサイル

 ロシア軍が開発したもう一つの風変わりな兵器が、「カリブル」やその他のロシアの艦船発射型ミサイルを発射できる「偽装格納庫」だ。

 この兵器は「ロシア・コンテナ・コンプレックス・クラブK」と呼ばれ、何トンもの貨物を遠方まで輸送する海運タンカに偽装した艦船から、海上ないし陸上の目標を攻撃するために開発された。

「ロシア・コンテナ・コンプレックス・クラブK」(40フィートの標準的な海運用コンテ)

 なお、これはあくまで兵器偽装のコンセプトであって、現時点でロシアのタンカーに「カリブル入りのコンテナ」が積まれているわけではない。この新兵器の基礎にあるのは艦船発射型ミサイル用の普遍的な発射装置だが、ミサイルは船に埋め込まれたサイロからではなく、20ないし40フィートの標準的な海運用コンテナから発射される。基本的な装備一式は、1〜4基の発射装置で構成される。一基の発射装置の「装弾数」は4発だ。

 このミサイル複合には、無線電子諜報システムが統合されており、敵の目標を発見して方位を測定し、座標を特定することができる。「クラブK」は他のシステムと共同で機能することも可能で、人工衛星、航空機、その他の複合体から座標のデータを得ることができる。海上ないし陸上の目標を撃破できる能力は、コンテナに格納されるミサイルによって異なる。例えば、「カリブル」型の巡行ミサイルであれば、2500㎞以内の海上または陸上の目標を破壊できる。

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