ゴーリキー自動車工場(GAZ)が設計したヴォルガは、ソ連時代最も人気のある自動車の一つであった。
ゴーリキー自動車工場。 組立てラインでのGAZ-21「ヴォルガ」。
ニコライ・ドブロヴォリスキー撮影/Sputnik ソ連のクルマ好きにとってこの自動車は夢であった。大きくてスペースに余裕があるヴォルガは「大衆車」ジグリよりも居住性が高く、豪華だったからだ。
モスクワのマネージュ広場でのGAZ-21「ヴォルガ」。カロッツェリアの上にはこの自動車が国際ラリーで取得した商品がある。
レオン・ドゥビルト撮影/Sputnik しかし、この自動車を持てたのは、限られた人だけであった。この高級車はソ連各共和国の官僚や部門、有名芸術家、俳優、作家などからの予約でいっぱいであったからだ。
ボリショイ劇場のそばで停められているヴォルガ。
ヴセヴォロド・タラセヴィチ撮影/МАММ/MDF/russiainphoto.ru 1956年に発表されたGAZ-21は、ヴォルガ・シリーズの最初のクルマである。黒く塗られた青いインテリアの車体は1961年に最初の宇宙旅行を果たしたユーリー・ガガーリンに贈られた。この自動車はフランスから贈られたマトラ・ジェット6とともに彼の愛車となった。
ユーリイ・ガガーリンの好きな自動車、GAZ-21。
アンドレイ・ゴレロフスキー撮影/TASS 現代においてもヴォルガ好きは多く、プーチン大統領もその一人である。2005年には彼はアメリカのブッシュ大統領をGAZ-21に乗せて運転した。
ロシアのプーチン大統領とアメリカのブッシュ大統領がプーチンのGAZ-21(1956 年製)に乗ってみた。ノヴォ・オガリョヴォ邸にて。
AFP 黒く塗られたヴォルガはKGBによっても使われ、ソ連国家保安委員会(KGB)の陰のシンボルであった。KGBに最もよく使われたのがGAZ-24-24で、このクルマは時速170キロまで加速出来、ソ連最速のクルマの一つであった。
モスクワの通りを走っているGAZ-24。
O.イワノフ撮影/TASS KGBの恐怖はヴォルガを巡って多くの伝説を生んだ。1960年から1970年にかけて、「黒塗りのヴォルガ」という暗黒の都市伝説がポーランドやハンガリーで流行した。聖職者、僧侶、悪魔崇拝者や吸血鬼や悪魔自身までもがこのクルマを運転して、小さい子供を誘拐し、内臓を西側やアラブの金持ちに売るというものだ。
フィンランドにおけるソ連の乗用車の販売やサービスのために設立されたソ連とフィンランドの合弁会社「コネラ」の管理棟のそばに停めてあるGAZ-24。
オレグ・イワノフ撮影/TASS GAZ-24-95は軍や警察用やソ連指導部の狩猟用の新型オフロード車として作られた。しかし構造が複雑すぎて、製造や補修が簡単でなかったため、日の目を見たのはたった5台だけであった。
ソコリニキ公園で行なわれた「特殊な目的のガレージ」でのGAZ-24-95。
アントン・ノヴォデレジキン撮影/TASS GAZ-3102は、リムジンタイプに乗るには位が低いが、ある程度の居住性と安全性を求む限定数の中級官僚向けに生産された。
GAZ-3102
Sputnik最新のヴォルガ・サイベルは2008年に登場した。しかし不運にも、世界経済危機と国内重要の低下からこの計画はすぐに中断し、ヴォルガ車の生産は2010年に打ち切られた。
モスクワ国際サーロン「クロクス・エクセポ」で紹介されたVolga Siber。
ルスラン・クリヴォボク撮影/Sputnikロシア・ビヨンドのニュースレター
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