1.Mil Mi-1
ソ連で初めて量産されたMil Mi-1ヘリコプターは、今からおよそ70年前、1948年9月にデビューした。ソ連とポーランドで2500機以上が製造された。同機は多目的で用いられ、軍用、農作業用、医療用ヘリコプターとして17ヶ国で運用された。
その性能の高さは、Mi-1が速度、高度、飛距離の点で1950年代から1960年代に打ち立てた27もの世界記録によって裏打ちされている。Mi-1は米国のシコルスキーS-51に相当すると言われるが、Mi-1のほうが広範に用いられていた。
2.Mil Mi-8
Mil Mi-8は世界で最も多く生産された双発ヘリコプターだ。現在92ヶ国で5000機以上のMi-8/17ヘリコプターが登録されている。ある推定では、2015年の時点で世界のヘリコプターの13パーセントを同機が占めていたとされる。生産が始まった1965年以来、12000機が製造されている。130もの改良版がある。
3.Mil Mi-10
「航空ショーの目玉の一つが、ロシア製ヘリコプターのデモンストレーションだった。非常に印象的で、このヘリコプターの『規模の大きさ』を忘れてしまうほどだった。特にMi-10だ」と外国のメディアは1965年のパリ航空ショーに登場したソ連の新型輸送ヘリコプターを評している。その数年前の1961年には、同機は15103キログラムの貨物を高度2000メートルまで持ち上げるという世界新記録を打ち立てている。ただMi-10は、貨物を固定する仕組みが複雑すぎるということで、数十機しか製造されなかった。
4.Mil V-12
これは史上最大のヘリコプターだ。1969年、V-12は44205キログラムの貨物を高度2255メートルまで持ち上げ、それまで破られていなかった世界記録を更新した。同機は大陸間弾道ミサイルを輸送する目的で作られたが、ソ連軍はこのヘリコプターを持て余した。シコルスキー賞といった国際的に権威ある賞や高い評価を受けていたにもかかわらず、結局2機しか製造されなかった。
5.Mil Mi-26
この重い輸送ヘリコプターは、量産機としては最大かつ最強のモデルだ。最大積載量は20000キログラムで、1980年以降300機が生産されている。
6.Mil Mi-38
この中型輸送ヘリコプターは2003年にデビューした。グラスコックピットを備えており、複合素材でできた新型の主ローターを搭載している。2012年には、貨物のない状態で8620メートルの高度に達し、世界記録を樹立した。
7.Ka-32
上記のヘリコプターはすべてミーリ設計局が開発したものだったが、このKa-32はソビエト及びロシアのもう一つの有名なヘリコプター設計局、カモフが製造したものだ。同機は主に北極圏で使用することを目的として開発され、1978年に初めて砕氷船シビーリの極夜の条件下での移動を支援するために利用された。Ka-32は女性の乗員が操縦したことで数々の記録を打ち立てている。