編集者タチアナ・ロマノワ氏によると、この雑誌のおかげで、日本の広範な読者が、ロシアの応用科学における開発について、ニュースと情報を得られる。これまで、ロシアの基礎科学と様々な発明、開発はよく伝えられてきているが、応用科学については、ロシアはさほど強くないというイメージが残っている。
「かつて日本人がソ連について抱いていたイメージは、文化と科学によるものだった。現在、露日両国で開催されている文化フェスティバル『日本年』、『ロシア年』のおかげで、ロシアの『文化的顔』は元に戻ってきているが、科学の方は相変わらず情報不足。応用的な観点から見て、現代的かつ興味深い開発を発信している国とはみられていない」。ロマノワ氏は、ロシア・ビヨンドにこう語った。
ロシアの応用科学に関する情報の空白を埋める
ロマノワ氏によると、雑誌創刊のアイデアは、彼女が三菱ケミカルで働いていたときに浮かんだ。同社で彼女は、日本人の同僚たちが、ロシアの科学研究および応用に熱い関心を抱いているのを目の当たりにしたという。
雑誌のすべての記事はロシア語と日本語で読むことができる。想定する読者は、科学技術分野の日本の産業、工業、大学、研究機関の関係者、企業家、投資家、ビジネスパーソンなど。ロシアの開発、技術を日本および太平洋地域に発信し根付かせるうえで、この雑誌がひとつの基盤となることが期待されている。
海水からのセシウムの除去に関する記事も
創刊号は、日本では印刷版も注文できる。そこには例えば、海水からのセシウムの除去(極東連邦大学とロシア科学アカデミー極東支部が開発)に関する記事が載っている。
創刊号の主要なテーマは、東シベリアのクラスノヤルスク市の研究者たちに関するもので、彼らは閉鎖系における生命維持システムの実験を始めた。
創刊号の頁数は約70頁。アンチマルウェア製品を開発する、ロシアのDr.Webのボリス・シャロフ社長のインタビューも載っている。