旅客機アントーノフAn-148とは

AP
 2月11日にモスクワ州で墜落した旅客機アントーノフAn-148はこれまで安全性の高い航空機とされてきた。

 今回の墜落事故では71人が犠牲となった。事故の原因は依然解明されておらず、事故調査委員会は機体の故障が原因だった可能性もあるとしている。

 An-148は高翼双発ターボファンエンジンを搭載した航空機で、近距離路線での乗客、貨客、貨物の輸送を目的としている。新型機の開発は1990年代半ばからロシアとウクライナの企業が共同で行っている。 

 この航空機は以前ソ連の企業が開発した近距離用モデルの後継機である。

 しかしAn-148は国外市場においてボーイングやエアバスと競合することはできず、ヨーロッパや中近東の航空会社はこれを納入していない。一方ロシアはこのAn-148が、未舗装や不整地の滑走路を持つあらゆる空港でも着陸することができるとして、35機を購入していた。

 ボーイング777の元機長であるアレクセイ・ガヴリレンコ氏は、ロシア・ビヨンドの取材に対し、「現在An-148は国内輸送、とりわけ防衛省の部隊や非常事態省、また小規模の航空会社が使っています。燃料補給なしに4,000キロを飛ぶことができる扱いやすい航空機なのです」と述べた。

 またガヴリレンコ氏によれば、An-148は、両翼に適度な後退角とT字尾翼を持つ、乗客80人用の典型的な近距離用航空機で、価格もそれほど高価ではないという。

 

過去の事故とAn-148の今後

 ガヴリレンコ氏はさらに「これらの航空機が製造されなくなることはないでしょう。というのもこれは新しいモデルであるし、事故原因はこれから解明されることになるからです。しかし数年前の試験飛行でも事故を起こしていることは指摘しておく必要があるでしょう」と述べた。

 ガヴリレンコ氏によれば、最初の事故は2011年半ば、製造会社が外国の発注者のためのデモンストレーションを実施した際に起きた。

 この事故は「機長が制限速度を超過し、適切な気流から外れ、機体は文字通り空中分解したのです」。 

 ガヴリレンコ氏は続けて、今回の事故が故障によるものであることが分かれば、同じモデルのすべての機体が検査の対象となると思われるが、時が経てばまた運行されるようになるだろうと述べている。

スペック:

乗員 2名

乗客 80名

全長 29メートル

全高 8メートル

全幅 29メートル

最大離陸重量 43,700キロ

速度 時速870キロ

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