2017年にベールを脱いだ新兵器:第4++世代戦闘機、戦略爆撃機など

テック
ニコライ・リトフキン
 今年2017年は、ロシアが期待を寄せていた最強の「鳥」たちが羽ばたいた年として記憶されるだろう。その猛禽たちとは、第4++世代ジェット戦闘機「MiG-35」、戦略爆撃機「Tu-160M2」、そして空飛ぶレーダー「A-100」だ。
  1. MiG-35

 今年最大の「プレミア」は疑いなく第4++世代ジェット戦闘機「MiG-35」だ。これは、スーパー・マルチロール機(戦闘機と攻撃機両方の機能を兼ねる)で、ロシアのみならず世界のMiG-29に取って代わるべき最新鋭機。

 MiG-35は、最高速度2700 km / hで、ベクトルエンジンの改良により、パイロットは、世界最高水準の曲技を行い、他の戦闘機との空中戦では、高速で様々な技を駆使できる。

 また、いくつかの改良、変更の結果として、敵のレーダーから見えないステルス性が加わった。

 しかし、最も重要なのは、技術陣が、MiG-29と比べると、使用できるミサイルと爆弾の数をはるかに増やしたことだろう。

 「この戦闘機のシステムは、ロシアの最新鋭で有望な、あらゆる空対空および空対面ミサイルを使用できるように更新された。これらすべてがあいまって、MiG-35は、世界で最も優れた戦闘機の一つとなった」。ミグ社のミハイル・ワルーエフ主任テストパイロットは、ロシア・ビヨンドにこう語った。

 ワルーエフ氏によると、同機は最終テスト段階に入っており、2~3年のうちにはロシア空軍に加わる見込みだという。

 

  1. Tu-160M2

 これは、世界最大の戦略爆撃機Tu-160「ベールイ・レーベチ」の“生まれ変わり”だ。このTu-160の改良型は、 高度18000mを飛行できる。これは、成層圏の下層に当たり、地上のどんな防空システムでも撃墜できない。

 Tu-160M2は、ロシアが新型爆撃機PAK DA(2030代前半に登場する予定)を開発するまで、その間の移行モデルとなる。同機は、ソ連時代に開発されたTu-160の外観を踏襲しているが、現代的な装備がいくつも追加されている。そのなかには、ナビゲーションシステム、無線電子兵器、コンピュータ、誘導型と無誘導の、多数の新型ミサイルおよび爆弾が含まれている。

 同機は、核兵器と従来型の武器で武装する。新型ミサイルH-101とH-555もそうで、最大射程は2000kmにおよぶ。

 Tu-160M2には、クラスター爆弾、機雷、各種貫通爆弾など、あらゆる現代的爆弾が装備される。

 

  1. 早期警戒管制機(AWACS)A-100

 今年は、新世代の早期警戒管制機(AWACS)A-100も登場した。

 現時点では、同機は「トップシークレット」扱いで、あまり情報は公開されていない。

 同機はソ連の輸送機「Il-76」をベースにしていることが知られているが、この新鋭機は、空中のすべてのステルス性をもった兵器、および地上の兵器を探知すべく、最新のレーダーと通信システムを搭載している。

 A-100機が情報を収集すると、司令部やA-100を援護する戦闘機や爆撃機に、情報が伝達される。

 A-100は、ソ連時代に開発され既に老朽化したA-50に取って代わり、20年代初めには量産体制に入る見込みだ。