2トンの大型多用途全地形車「クレチェト」は、北極圏や極北の軍の増強に使われるかもしれない。5つのおもしろい事実を、「ロシア・ビヨンド」が特集する。
新しい車
これは主に宇宙飛行士や救助隊のためにつくられた6輪の全地形万能車。乗車定員は10人。
「この全地形万能車はどんな場所も走破できるため、宇宙開発チームは宇宙飛行士をカザフスタンの着陸地点から集めるのに使う」と、クレチェト開発者の一人セルゲイ・ヴィゴフスキー氏は説明する。
ハイテク
「ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)」はカザフスタンのステップに着地した宇宙飛行士を拾うのに、すでにクレチェトを使っている。医療用品、先進技術が装備されている。
「基地とやりとりする衛星通信もある。操縦士は現場の衛星画像を見ることもできる」とヴィゴフスキー氏。
救命
「ロシア連邦非常事態省」も極東ですでに使用している。ヘリコプターが着地できない、到達の難しい場所に、救助隊が行くことができる。
「木の倒れている場所、大きな岩のあるところを走破し、60度の上り坂を進むことができる。川や沼地を渡ることもできる」とヴィゴフスキー氏。
国境で
クレチェトは近々、「ロシア連邦国防省」の軍事試験を受ける。マイナス50℃~プラス60℃のすべての天候条件に対応する車であるため、簡単に合格できるだろう。
「イズベスチヤ」紙の軍事アナリスト、ドミトリー・サフォノフ氏によれば、耐久性があるため、北極の国境兵にぴったりだという。
「このような軍の車両は軽く、燃料タンク一つで2000キロ走行できなければならない。この車は積雪3メートルの場所を時速50キロできる。技師が追加的な装甲を施し、国防省の試験に合格すれば、数年以内には北極統合戦略司令部で見ることができるだろう」とサフォノフ氏。
戦闘車両か
サフォノフ氏によれば、クレチェトはありがちな重機関銃を上部に供えた軽量装甲車ではないという。「これは違う。国境のパトロールや偵察任務にのみ使用される」