架空戦闘機のデザイン=イメージ:Alexander Yartsev ABiator
第5世代ジェット戦闘機Su-57(T-50)が本格的に飛び立とうとしている。9機の試験飛行が行われており、来年にもロシア連邦航空宇宙軍に納入される。
これと並行して勢い良く進んでいるのが、第6世代戦闘機の開発。コンツェルン「無線電子技術」のウラジーミル・ミヘエフ副社長は、国際航空ショー「国際航空宇宙サロン2017(MAKS-2017)」の開催中にテレビ局「ズヴェズダ」の取材に応じ、これを明らかにした。
第6世代戦闘機の初期型は、早ければ2030年よりも前に登場する可能性があるという。ミヘエフ副社長によれば、ステルス技術を確固たるものとする複合材料が使用され、超音速巡航あるいは極超音速飛行の可能なエンジンが搭載される。
だが最も重要な点は、超知的機上装備があること。これにより、既存の戦闘機では到達できない高度まで上昇することができる。
コンツェルン「無線電子技術」のギヴィ・ジャンジガヴァ機上装備研究開発副本部長は、ロシアNOWの取材に対し、既存の戦闘機では不可能な課題を実行したり、極超音速で飛行したり、無人飛行したりできるようになるだけでなく、無線電子戦争の兵器になり、標的を独自のレーダーで探し、高性能爆弾の搭載されたミサイルで打ち落とす「パワーアーマー」にもなる、と話した。
さらに、「群れ」の中で人による制御を受けずに自分たちの行動を調整したり、諜報・軍事情報を交換したり、地上と宇宙の「群れ」と協力したりできるようになる。
ジャンジガヴァ副本部長によれば、これは網中心化と呼ばれるもので、第6世代戦闘機の主要な特徴の一つと考えられている。
「電子工学の観点から、現代の航空機はこれ以上無理というレベルにまで達している。戦闘機Su-27、Su-30、MiG-35とそのエンジンを改変しても、速度、操縦性などにおいて30%ほどしか改良できない。新しい『脳』をつくると、効率は数倍高まる」とジャンジガヴァ副本部長。
これを実際に示すことのできる唯一の戦闘機が、Su-57(T-50)なのだという。ここには、アクティブ位相格子レーダーが初めて採用されているため。
新しいレーダーは戦闘機の両側で瞬時に200度動かしながら、領域を走査する。この時、標的を選び、兵器を向け、無線電子攻撃の手段として作動し、また戦闘機のまわりに電子「透明マント」を装備できる。
専門家によれば、今日、戦闘網中心化すなわち戦闘機が地上軍、防空システム、戦闘機の「群れ」の司令拠点になるという案を実現できるのが、アクティブ位相格子レーダーなのだという。
さらに、第6世代戦闘機は、敵のミサイルの目を「焼く」ことができるという。
この課題を解決するのもアクティブ位相格子レーダーである。
ジャンジガヴァ副本部長によれば、レーダーのアンテナは電子攻撃手段として信号を送ることができるという。Su-57(T-50)のアンテナは戦闘機の周囲のほぼ200度をカバーすることを考えると、航空機の飛行する方向に側面または翼の縁から攻撃を加えることができると仮定できる。つまり、SF映画のように、電子装甲に包まれた戦闘機は、敵から見えず、敵の兵器システムを遮断する兵器なのである。
電子兵器以外に、第6世代には従来兵器もある。
ミヘエフ副社長によれば、これは空、陸、海の標的を攻撃できる超長距離射撃型極超音速ミサイルになる。
ここには「自由狩猟と連帯責任」の原則が適用される。つまり、人工知能を持つ新しいミサイルのグループが、主な標的とその他の標的を選定して、互いの間で割り当て、重要度の高い方から破壊していくのである。
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