MOSCOW REGION, RUSSIA - JULY 15, 2017: A Sukhoi T-50 PAK FA fighter jet performs a demonstration flight ahead of the MAKS-2017 International Aviation and Space Salon in Zhukovsky, Moscow Region.
Marina Lystseva/TASSウラジーミル・アスタプコーヴィチ/ロシア通信
今年の航空ショーの潜在的な主役のなかでも筆頭は、ロシアの最新鋭機MiG-35だろう。多目的第4世代++戦闘機で、ロシアだけでなく世界各国に配備されている戦闘機MiG-29シリーズに取って代わることになる。
今年の来場者と世界の専門家は、ミグ社のエキシビジョンセンターでこの「怪鳥」を眺め、飛行能力を評価することができる。
また、敵のレーダーに対する視認性を低下させるために、数多くの技術的ソリューションが盛り込まれている。
さらにこの戦闘機では、ロシアの最先端の、かつ将来的に有望な、あらゆる空対地および空対面ミサイルが使用できるように性能が拡張された。ミグの主任テストパイロットである、ミハイル・ベリャーエフ氏は、これらすべてがあいまって、MiG-35は世界最高の戦闘機の1つとなっていると、ロシアNOWに話した。ベリャーエフ氏によると、同機は最終テスト段階に入っており、2~3年のうちにロシア空軍に配備される予定だという。
ロシア・ヘリコプター
航空ショーのもう一つの新顔は、ロシアの特殊部隊のための、期待の新型ヘリコプター「Mi-171Sh-VN」だろう。
この機種は1990年代に開発されたものだが、シリアの、ロシアで禁止されているイスラム国(IS)のテロリストとの戦闘を経て、そこで浮かび上がってきた技術的な課題を受けて改造された。新型は、これまでより“気難しくなく”、中東の気候でもより安定して動作する。
航空ショーでは、このヘリの技術的特性がすべて明らかにされるが、それに加えて同機は、13.5トンの貨物を積んで、時速280kmで飛ぶことができることが知られている。
ヘリコプターの底部には、ケブラー製の防弾装置が取り付けられ、敵の銃弾への防御力が増した。さらにまた、敵のミサイルを無力化する、現代的な無線電子兵器システムも装備されている。
ヴィターリイ・クジミン (CC BY-SA)
この戦闘機が世界に初公開されたのは、MAKS 2011においてだったが、実は、これまでの間、同機は、第4世代++戦闘機Su-34のエンジンを搭載して運用されていた。しかし、イズベスチヤ紙の軍事アナリスト、アレクセイ・ラム氏がロシアNOWに伝えたところによると、今年、新しい第5世代エンジン「Izdelie-30」(製品 -30)が搭載され、その初公開がMAKS 2017で行われる可能性があるという。
この新たな「心臓」は、PAK FAが超音速飛行中に速度を維持するのに役立つ。飛行する場所にもよるが、速度はマッハ1.6(約2000km /時)に達する。
ヴァディム・サヴィツキイ/Global Look Press
この新型の多目的戦闘機は、曲技的な操縦を容易に行うことができ、高精度の武器で十分に防御された目標をも撃破することができる。
シリアでの実際の軍事作戦ですでにその能力を発揮しており、今年の航空ショーでは、ロシア空軍は、低空で2機のSu-34による模擬空中戦を初めて実演する予定だ。
「Su-34はユニークな航空機。その完璧な余計なものをそぎ落としたような外形と小さなカナード翼を見ると、外見上は戦闘機に非常によく似ている。しかしその能力たるや、一度に8トンの高精度爆弾や巡航ミサイルを運べる、本物の“馬車馬”だ」と、ラム氏は語った。
しかも同機は、給油することなく7000km飛行し、遥かな目的地に文字通り直行しつつ、途中の目標物のすべてを破壊することができる。
ロシア航空宇宙軍では、Su-34は2種の爆撃機に取って代ることになる。戦術爆撃機Su-24とそれよりはるかに大型の長距離爆撃機Tu-22M3だ。
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