ロボットのフョードル君が宇宙へ

セルゲイ・マモントフ
 新しい人型ロボットが、2021年にも宇宙に行く可能性がある。

 ロシアで開発された新しい宇宙ロボットは、宇宙飛行士とペアになる。軍事・宇宙プロジェクトの実現を担当するドミトリー・ロゴージン副首相は先月末、このように話した。

 設計者の予定では、多機能人型ロボット「フョードル(FEDOR)」は、2021年に国際宇宙ステーション(ISS)での任務を始める。フョードルとは、最終実験的実証対象物研究(Final Experimental Demonstration Object Research)の頭文字を集めた名前であり、また一般的なロシア名でもある。自分で解決を行え、宇宙だけでなく、緊急時には地球で活動することもできる。

 

人を超越しているところも

 「宇宙飛行士は、宇宙船、船外宇宙空間、他の惑星での活動で、ロボットに頼ることができる。人と同じ条件で活動できるロボットがチーフになる。ロボットの可能性は人間の可能性に相当し、一部の特徴では人間を上回る」と、ロシア国立ロボット工学技術・基礎要素開発センターのセルゲイ・フルス・センター長はロシアNOWに話す。

 人型ロボットに特別なツール、装置、輸送機はいらないと、フルス・センター長。危険な状況において人間の代わりに活動し、困難かつ繰り返しの作業を引き受け、人間の力と知能をより複雑な課題のために残すのが、人型ロボットの課題である。

 フルス・センター長によれば、このロボットをつくるアイデアは2年半で実現したという。プロジェクトを支援したのは「ロシア連邦有望研究基金」、実現したのは科学生産合同体「アンドロイド技術」。フョードルをつくる過程で、14の新技術が開発された。この技術は逆センサー接続を使った複合制御の基礎となっている。

 フョードルは、人間の生命と健康に危険な領域で、人間の代わりに活動することができる。人間のために設計されたインフラでも活動可能だという。

 

人よりも慎重に

 軌道上ではすでに、フョードルの類似体が活動している。それはロシア製の「SAR-400」と「SAR-401」、アメリカ製の「ロボノート」と「ロボノート2」、ドイツ製の「アイラ」、中国製の「小天」。「アメリカ航空宇宙局(NASA)」は、火星への長期遠征に向けたロボット「ヴァルキリー」を開発した。このロボットは、火星でコロニー建造に携わる。

 フョードルは救助者、爆発物技術者、潜水士、溶接工の機能を果たすことができる。これは「アンドロイド技術」が開発した人型ロボットの5種目である。最初の4種のロボットは、ロシア連邦非常事態省の発注を受けて開発された。ロシアのロケット・宇宙企業「エネルギヤ」は、フョードルの最初の宇宙飛行の目的と課題を用意する実験所をつくっていると、フルス・センター長。

 宇宙飛行士とロボットの長期飛行での協力は近年、ISSの研究に欠かせないものとなっている。世界の開発者の主な課題は、ロボットを安全問題に対してもっと敏感にすること。人間よりも慎重なロボットが必要だと、開発者は話す。この課題が達成されると、周囲の物体を傷つけることなく、自由に空間を移動し、宇宙船の限られたスペースの中で活動することを人型ロボットに教えることができるようになる。

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