従業員の携帯会話を聴く装置開発

Shutterstock/Legion Media撮影
 従業員が職場で自分の携帯電話で話している内容を、雇用者が聴くことのできる装置の試作品が、ロシアのIT企業「インフォウォッチ」によって製作された。

 インフォウォッチのオーナーは、サイバーセキュリティの第一人者エヴゲニー・カスペルスキー氏の元夫人であるナタリヤ・カスペルスカヤ氏。開発されたのは、オフィスでの従業員の会話を聴けるソリューション。すでに試作品ができている。

 インフォウォッチは2012年、ロシアの「音声技術センター」社と共同で、職場の固定電話およびパソコンの電話「スカイプ」で従業員が会話している内容を記録、分析できる技術を開発していた。携帯の会話は最近まで、管理のできない情報伝送路のままであった。

 このシステムは従業員の自発的な合意がなければ使用不可能だと、ロシア当局者は話している。合意なしに実施すれば、市民の通信機密の権利を守る憲法に違反することになる。例えば、既存の雇用契約に、「雇用主が特別な装置を使って書き込みや電話を管理することに従業員が自発的に合意する条項」を加えることも可能だと、ニコライ・ニキフォロフ通信マスコミ相は、ロシアのメディアグループ「RBC」に話している。

 カスペルスカヤ氏は、このシステムの使用が法律違反につながることはないと話している。「テキストに変換される音声トラフィックすべては、人間の介入なしに、第三者の会話内容を知ることなしに、自動的かつ機械的に分析される」と「コメルサント」紙に語った。

 

このソリューションが流出を防止することはできるか

 インフォウォッチの技術は大規模にはならないだろうと、専門家は考える。アメリカ系IT企業「シスコ」情報安全部のコンサルタント、アレクセイ・ルカツキー氏は、ロシアNOWの取材に対し、企業からの情報流出の多くが、電子メール、USB、その他のドライブなどのチャンネルから起こっていると話した。

 「そしてこれらは通常、偶然またはミスによって起こる。電話の流出は5%以下。あと誰かが流出させたいと思うなら、オフィスでまた会社の電話ではやらない。したがって、インフォウォッチのソリューションが企業の安全性を大きく高めることはないが、軍事機関や国家機関では何らかの課題を解決できるのではないか」とルカツキー氏。