ロシア通信撮影
国際原子力機関(IAEA)代表団は7月、ここを訪れた。代表団には日本、中国、クウェート、パキスタン、インド、サウジアラビア、トルコなど15カ国代表が参加した。
ブイチコフIAEA事務次長によると、原子力の平和利用とロシアの原子力技術の稼働が北極圏で効率的かつ安全に実現していることが示された。
IAEA代表団員の多くにとって、現役の原子力砕氷船「ヤマル」への乗船は初めての経験だった。船長、船員のほか国営原子力企業ロスアトムフロトのルクシャ最高責任者には、原子炉資源、燃料濃縮度、砕氷可能な厚さ、人材育成などについて多くの質問が投げかけられた。
1760メガワット
北極圏に初めて建設されたコラ原子力発電所が誇る発電量。
2023年
北極圏で2カ所目となるコラ原子力発電所2号機の完工予定。
ルクシャ最高責任者によると、近い将来、北極の難路の作業量は急増するという。貨物流動は現在の1500万トンから、1700万~1800万トンまで拡大する。何よりもヤマル半島での液化天然ガスの大量生産が関連してくる。
ロシアは、ヨーロッパおよび東・東南アジアの大手船舶・海運会社と密接かつ相互利益的に協力して、北極海航路での国際海運を発展させようとしている。
ロシア最大の独立系天然ガス生産・販売会社ノバテクはフランスの石油・ガス会社トタルや中国石油天然気集団公司(CNPC)と提携している。
北極海経由の効率的な通年輸送を自国や隣国向けに確保するため、3隻の次世代型原子力砕氷船の建造を始めている。新しい砕氷船の進水は2017~18年の予定だ。
タス通信撮影 |
IAEA代表団はコラ原発も訪問した。これは北極圏初の原発だ。厳しい気候条件の下、既に40年稼働している。コラ原発のノウハウは特別に開発された。それは、06年に稼働開始した液体放射性廃棄物再処理の設備にある。設備は放射性廃棄物と非放射性廃棄物を分ける。
コラ原発のオメリチュク社長はこう説明する。
「非放射性廃棄物2000トン、放射性廃棄物500リットルほどの再処理を行った。以前はすべての廃棄物の量が約3500立方メートルほどだった。非放射性廃棄物は化学試薬の原料やガラス製造、花火製造術の原料である」
これはロシアの他の原発や海外の原発でも有望な方法になり得るという。
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