ロイター通信撮影
-西アフリカの現在の感染状況はどのようになっていますか。
以前は非常に困難な状況が見られましたが、現在は早期診断により、患者が感染後すぐに医師の監視下に置かれるようになりました。これによってエボラ出血熱の致死率もさがりました(以前は90%だったが、現在は約50%)。
首都コナクリのドンカ病院(ギニア最大の病院)の診察状況はしっかりしています。研究所の指揮をとっているのはロシアの大学の卒業生です。マガ医師はモスクワ国立獣医学アカデミーを出ています(アカデミーでは動物から人間に感染する、エボラなどのウイルス性疾患の診断についても学んでいる)。
-ギニアで具体的に何をされているのですか。
まず、地元の専門家に科学的方法論の指導を行っています。特にウイルス診断の改善です。我々の交流が助けになったと思っています。次に、エボラウイルスについて、地元の専門家に助言をしました(ロシアでエボラ研究がなされていたため)。
また、テント病院の一ヶ所に行き、診療や出血熱の問題について助言しました。このような熱の治療方法は大体共通しているのです。ロシアには例えば、クリミア出血熱が存在しますから、我々には実績があるのです。
我々の課題には、ロシア市民と大使館員の安全性の確保もあります。
-エボラ出血熱の感染を止めることは可能だと思いますか。
8月4日時点で、889人の感染者が死亡。致死率は約50%で、90%だった以前と比べて減少している。感染者数は約1800人で、1976年にウイルスが発見されて以来最大となっている。ギニア、シエラレオネ、リベリア以外にも、ナイジェリアで感染者が確認されている。エボラ・ワクチンは今のところない。そのため、研究者の一部は、エボラ・ウイルスが生物兵器として使われることを懸念している。
これは2つの理由から難しいです。まず、自然宿主がある感染症だからです。ギニア、シエラレオネ、リベリアの森林の発生源で、ウイルス循環プロセスをコントロールするのは、現在はほぼ不可能です。
次に、これらの国の社会・経済的条件に関係しているからです。西アフリカは世界の貧困地域の一つです。我々の定義での衛生・伝染病学機関はまったくありません。
また西アフリカ諸国の多くの行政が財政難にあり、汚職率も高いので、しっかりとした感染防止対策を講じることが難しいのです。1.5ドルあれば感染者は防疫圏に入ることができます。
現地の信仰にも特徴があり、死者を埋葬前に抱擁します。これらの問題から、感染を速やかに防ぐことが難しくなっているのです。
ただ、対策がとられ始めています。例えば、ドンカ病院で亡くなった人の遺体は病院の敷地内で火葬され、親族には渡しません。
ギニア保健省と世界保健機関(WHO)の対策もとられています。西アフリカ諸国の政府は、ようやく、感染者数を隠す必要のないことを理解しました。ここ数日で一定の変化が起こっています。
-ロシアではもうすぐ、学校の新年度が始まり、ギニアの留学生も戻ってくるでしょう。ウイルス感染のリスクを抑えるにはどうすべきですか。
問題は今のところ、まだ解決されていませんが、ロシアの「ルサル」社の実績があります。社員を国に帰す前に、3週間モロッコ・カサブランカに滞在させます。社員は隔離された状態で働き、潜伏期間の3週間が過ぎてからロシアに戻るのです。学生にそれができるのかはわかりません。お金もかかりますから、おそらく無理でしょう。
-ロシアが危険地域の国民を入国させないようにするということはあり得ますか。
それはないでしょうが、健康状態は観察するでしょう。留学生がロシアに来たら、最初の1~2ヶ月間は診察をします。今のところ、どうやって実施するのかについてははっきり言えませんが、実施されることは確かです。
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