「イノプロム2014」の革新的作品

ダリア・ケジナ撮影

ダリア・ケジナ撮影

ロシアの革新的な地下鉄、産業ロボット、新型無人機や、海外の最新開発品がずらりと並んだ国際産業見本市「イノプロム2014」が、スヴェルドロフスク州エカテリンブルク市で9日から12日まで行われた。出展されたロシアの有望な開発品を取材した。

どこでも離着陸できる無人航空機

 「合同装置建造会社」(「ロシアの国営加工・生産・輸出企業「ロステフ」の傘下)は、無人航空機「チロク」を出展。エアクッション降着装置によって柔らかい土壌、水面、沼地、雪面から離陸し、起伏や穴のある場所を移動し、他の航空機が着陸できない表面に着陸することができる。これは世界に類のない開発品だ。エアクッション型無人機は量産されていない。

 

数字で見るイノプロム

 

  • 5万平方メートルの展示スペース
  • 570のロシアと70ヶ国の企業
  • 2010年から毎年エカテリンブルク(モスクワの東1400キロメートル)で開催

 

 民間分野では森林火災や自然災害、また道路状況の監視に使うことが可能。軍事分野では偵察、また爆弾、ミサイル、高精度弾を輸送する攻撃無人機としての使用が可能。

 「チロク」の最大離陸重量は700キログラム、最大積荷重量は300キログラム。上昇限度は6000メートル、航続距離は2500キロメートル。以前のモデルとは異なり、兵器を機体の中で吊架式に固定し、隠すことができる。これによって無人機は気づかれにくくなり、空力特性が向上する。翼長は10メートル。

 すでに風洞試験にも合格した。今回の出展品は、実物の5分の1の大きさのモデル。来年の国際航空ショー「国際航空宇宙サロン(MAKS)」で、実物がお目見えする。

 これ以外にも「イノプロム2014」には、ウラル連邦大学ロボット実験所がウラル基幹電力系統の課題に沿って開発した、無線操縦飛行ロボット「カナトホド」が出展された。これは架空送電線の状態を管理できる。

 

2018年ロシアW杯用路面電車


ダリア・ケジナ撮影

 「バットマン・トラム」として認知された「ロシア・ワン」以外に、「イノプロム2014」には「トランスマシュホールディング」の路面電車も出展された。これは極低温でも運行可能。ロシアやその他の寒冷な国にとって重要な要素となる。

 エカテリンブルク市は、2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会の試合開催地での、このモデルの運行を見込んでいる。試合は、モスクワ、カリーニングラード、サンクトペテルブルク、ヴォルゴグラード、カザン、ニジニ・ノヴゴロド、サマーラ、サランスク、ロストフ・ナ・ドヌ、ソチ、エカテリンブルクの11都市の12スタジアムで行われる。FIFAの条件によると、開催地の交通機関は体の不自由な人にやさしいものでなければいけない。この”温かい”路面電車はぴったりと言える。

 運転室と車内それぞれには、独立エアコン・システムがある。バッテリーで1000メートル走行可能となっているため、停電時でも運行できる。

 

放射線汚染地域にロボット

 放射能管理装置、ガス分析器、最新式熱探知カメラの装備されたロボットの試作品を開発したのは、ザゴルスキー光学・機械工場、N.E.バウマン・モスクワ国立工科大学研究所、「シュワベ」ホールディングの技術者。非公式に「ルノホート(月面車)」と呼ばれているロボット化された設備は、さまざまなデータの収集を目的として、放射能汚染地域で使用することができる。

 「シュワベ」は、ナノメートルの精度がある超最新式レーザー顕微鏡も紹介。大型サンプルの表面の測定および高空間分解能観察を、焦点や座標を失わずに行える。ここが世界の類似品と比較した場合の優位性だ。顕微鏡の本体は人工石でできている。

 

革新的な地下鉄

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 エカテリンブルク市の企業「シナラ交通車両(シナラ・トランスポルトヌィエ・マシヌイ)」とスペインの企業グループ「CAF」が、快適性を向上させた地下鉄車両の実物大モデルを出品した。最新の鉄道設計と、環境に優しい部品が組み合わせられている。

 運転室と車内にはエアコン・システム、寒冷天候条件総合対応システムが装備されている。フィンランド、スウェーデン、アメリカ、トルコで試験が行われた。ビデオ監視、火災探知・消火システム、体の不自由な人のための快適な乗降も特徴。車両の運行期間は30年。量産開始は2015年以降の予定。

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