タス通信撮影
南極大陸往復に60時間以上
ドンスコイ天然資源・環境相は南極大陸往復のため、60時間強を飛行機の機内で過ごした。スペインのマドリード、チリのサンティアゴ、プンタ・アレナスで乗りかえをしなければならなかった。「南極大陸に着陸した後で、アメリカのアムンゼン・スコット基地とユニオン・グレーシャー基地に行き、そのあとでロシアのボストーク基地に行った。我々は運が良かったと言える。移動の際ずっと天候に恵まれ、遅れることなく、予定通りに南極基地につくことができた。2009年にも南極に行き、ノルウェーのトロル基地を訪問したが、この時はチリではなく、南アフリカ共和国のケープタウンを経由した」
現在は南極大陸が夏であるため、気温は氷点下30度ほどで快適だったという。「最初の印象というと、大量の氷、雪、岩山、まぶしい太陽、絶え間なく吹く風。これらすべてが驚くほどさわやかで、雄大さを感じる。南極大陸の環境条件は当然のことながら、他の地球上の大陸とは違う。湿度がほぼゼロで、酸素含有量が少なく、希薄大気。多くの基地が海抜2000メートル以上の場所にあり、例えばユニオン・グレーシャー基地は海抜約4000メートルのボストーク基地と同様、山脈の中心に位置している。だから南極観測隊の一部には、環境に順応する際、脱力感などの高山病の症状がでてくる。私は個人的にそのような順応の問題を経験したことがないからわからないが」
シャワーを浴びるならロシアの基地へ
ドンスコイ天然資源・環境相によると、ロシアの南極観測隊の条件はアメリカとは異なり、あまりよくないという。「ロシアの南極観測隊の月給は約7万ルーブル(21万円)。仕事が困難なこと、往復が高額であることを考えると、これは非常に少額。だが日常的な問題よりも、ロシア連邦特別プログラム『世界海洋』が昨年承認されなかったことで、今後が不透明になっていることが、何よりも隊員を不安にさせている。国の融資の中止によって、ロシアの南極探検のインフラが刷新できなくなる。南極の科学研究はこの地域におけるロシアの地政学的利益を保障する主なメカニズムだ」
南極への今後の融資については現在協議中。モジュール型の新しいボストーク基地の建設が計画されている。他の国が南極に建設しているは、このような基地だ。だが多くの基地で、さまざまな理由により、給水の問題が生じている。ロシアの基地にはそのような問題はない。「ボストーク基地の水は雪からつくられているが、国際基地ではこのような方法が採用されていないため、水不足になっている。ユニオン・グレーシャー基地では、『シャワーを浴びたいなら、ロシアの基地に泣きついてくれ』と言われているそうだ」
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