温暖化で大雪というパラドクス

=リカルド・マルキナ撮影

=リカルド・マルキナ撮影

世界的な気候変動は北半球とシベリアの積雪量を増やす、とロシア科学アカデミー地理学研究所のウラジーミル・コトリャコフ所長が1月17日、ロシアのノボシビルスク市で同日開幕した「世界雪フォーラム2013(World Snow Forum 2013)」で発表した。

「温暖化で地球の積雪量が増えるという矛盾が起こっている。この現象はシベリアの広い地域で見られ、10~20年前よりも積雪が多くなっている」。また、人工衛星観測が始まった1960年代から、北半球で降雪地域の面積が拡大する傾向も認められているという。

温暖化で湿度が上昇し、降雪量が増える 

「現在は世界的な温暖化の時代にあり、気温の上昇とともに大気中の湿度も上昇するため、寒冷地の降雪量が増えている。これは大気の成分や循環の変化に対して、降雪が非常に敏感であることを証明している。人為的な環境改変の影響を評価する際、この点に注意する必要がある」。

南半球では海洋の影響で降雪量が増えないため、北半球の方が多い。2月の積雪面積は地球の19%で、北半球の面積の31%、南半球の面積の7.5%である。「8月の積雪面積は地球の9%にすぎない。北半球の積雪量は年間を通して7倍以上の変化があるが、南半球では2倍以下にとどまる」。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)のデータによると、2012年12月の北半球の積雪面積は、130年以上続く気象観測史上、最大となったという。平均面積より300万平方キロ、また1985年の記録より20万平方キロ広かった。さらに冬季の北半球の平均積雪面積は、10年で約0.1%の速度で拡大しているという。

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