BRICS間の軍事協力強化を提案

AP通信撮影

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ロシア連邦安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記は、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の枠組みの中で、軍事・技術協力を拡大することを提案した。専門家は、ロシアと、インド、中国との軍事・技術協力の規模がすでに大きいことを説明しながら、その潜在性はまだあると話す。

 パトルシェフ書記はBRICS諸国の軍事・技術協力を強化させる必要性について話した。専門家は、強化可能だと考える。

 パトルシェフ書記は、「軍事・技術協力や、対テロ、対過激主義、対分離主義、対国境犯罪、その他の新たな挑戦や脅威への対抗などで、BRICS諸国の間の相互活動を強化させることが必要だと確信している」と述べた。発言は年次BRICS安全保障高官会議の席で行われた。

 

大型契約 

 ロシアは軍事・技術協力の分野において、これまでにも中国やインドと活発に交流してきたが、BRICSの枠組みの中での協力が発展していく可能性は大きい、と軍事専門家のイリヤ・クラムニク氏は考える。中国およびインドとの従来の協力においてなど、そう考えるに十分な一連の根拠があるのだという。インドでは最近、ロシア製ヘリコプターの調達に関する取り引きが承認された、とクラムニク氏は説明する。5月中旬、インドが自国の軍向けにロシア製多用途ヘリコプター「Ka-226T」200機ほどを購入することを決定したと報じられた。契約額は4億6700万ドル(約560億4000万円)ほどと考えられている。

 他のロシアとインドの共同プロジェクトでは、両国が第5世代戦闘機の開発資金を集めている。これ以外にも、クラムニク氏は「インドがフランスの戦闘機『ラファール』を自国で生産する契約をやめ、36機の直接購入のみに絞るということを考えると、戦闘機『Su-30』の購入が増える可能性もある」と予測する。また、中国とは、いくつかの大型契約や、軍用機を開発しているロシアの設計局との新しい旅客機の共同開発があるという。中国にもロシア製防空システム「S-400」および多用途戦闘機「Su-35」が納入されると予期されている。

 ロシアはブラジル、南アフリカと、軍事・技術協力に関してそれほど活発な接触は行っていないが、ブラジルについては、防空システム「パンツィリ-1S」およびヘリコプターの納入に関する交渉がすでに何年か行われている。

 

今後の見通し

 地政学問題アカデミーのコンスタンチン・シフコフ第一副所長によると、軍事・技術分野において、ロシアの製品は現在、その質で他のBRICS諸国よりも進んでいるという。生産兵器量においてトップの中国の潜在性を組み合わせると、両国の可能性はかなり大きい。ロシアとBRICS各国の軍事・技術協力の特徴については、主に航空と防空だという。インドと中国では、軍艦もある。

 シフコフ第一副所長はまた、BRICS内の軍事・技術協力にはすでに、構築された機構があることに触れた。それはロシアと、他のBRICS諸国との軍事・技術協力に関する協定である。「協定は軍事・技術協力のすべての主要な部門を網羅しているが、今は兵器システムの開発に関する共同プロジェクトの形で実現させていく必要がある」とシフコフ第一副所長。

 シフコフ第一副所長によると、軍事・技術協力にとどまることなく、合同演習の実施、人員の共同育成、緊急事態における兵力適用計画の作成、北大西洋条約機構(NATO)やワルシャワ条約機構の先例にあるような特定責任領域における本部の創設など、軍事・戦略協力分野に進む必要があるという。

 

脅威と圧力

 パトルシェフ書記はBRICS安全保障高官会議の席で、既存の脅威について話した。「BRICS諸国の今日の膨大な資源と展望をふまえると、諸国は特別なリスクのゾーンにあると考えられる根拠がある。諸国を抑制するために、情報的影響や、国家的、宗教的、文化的な対立のあおりが主に活用されることを、ここ数年の傾向は証明している」とパトルシェフ書記。

 また、西側諸国がBRICS諸国に影響を与えるため、国際金融機関を利用していることを、パトルシェフ書記は非難した。過去10年間のBRICS諸国からの総資本流出は3兆5000億ドル(約420兆円)以上になるという。パトルシェフ書記はこれに関連して、BRICSの新開発銀行を創設することの重要性を強調した。