露日関係を改善すべき理由

画像:アレクセイ・ヨルスチ
 モスクワは長い間、アジアにおけるパートナーとしての中国への依存度を軽減すると同時に、日米防衛同盟に対抗する手段を模索してきた。東京との関係改善は、その回答となりうる。

 東京とモスクワの関係がより前向きな方向に向かっているかのように思われた3月25日、ロシアは、年末までにミサイル防衛システムと軍用無人飛行機をクリル列島 (千島列島) に配備することを発表した。第二次世界大戦の終戦後、両国間の緊張の対象であり続けたのは、まさにこの列島なのだ。今後のモスクワと東京間の関係にどのような影響が及ぶかは未知数である。

 

東方の「軸足」を堅固にするために

 ロシアについては、日本とより良好な関係を構築するいかなる試みも、「東アジアに軸足を」政策の一環とみなすべきである。

 ロシアの戦略が目指しているのは、アジア太平洋地域における同国の存在感を高めるだけでなく、東アジアにおけるロシアのパートナーが中国に絞られてしまうのを回避することにある。日本とロシアは特に、つい最近の北朝鮮のセキュリティ危機への対応を協調する十分な機会を見出すことができた。

 また、日本とロシアは経済的および金融関係の緊密化にも努めてきたが、これは極東ロシアの発展にとって特に重要である。

 日本におけるロシアの地域活動は、最近の朝鮮半島の動向よりも前に遡る。ウクライナの危機が発生する1年前、日本の安倍晋三首相は、様々な面における日露の協力関係について懇談するためモスクワを訪れた。

 

中露同盟と日米同盟のはざまで

 日本が日露関係の強化を望む潜在的理由の一つは、中露の枢軸が発展する可能性の防止である。日米同盟は、北東アジアのセキュリティにおいて最大の影響力を持つハードパワーの一つであるため、それに対して最も説得力のある対案は、中露のパートナーシップなのである。

 中国の封じ込めは、依然として日米防衛同盟の機構の主目的であるが、ロシアを封じ込めるという米国の戦略もまた、アジアにおける米国の政策の主要な一部を構成している日米同盟の重要な要素である。

 したがって、日本とロシアが国際舞台でより高レベルの和解と協力関係を模索する中で、日本がロシアと築く防衛関係においては、日米同盟が重要な要素になっている。アジア太平洋地域で強力な地位の維持を試みる米国は、東アジアにおけるロシアの潜在的な軍事的影響力を抑制しようとしている。

 この点において、日米関係の現状は、西側陣営を重視する国際秩序の縮図を表していると説明することができる。これは、多極主義的な国家間関係のグローバル体制を構築することを望むロシアの思惑に反している。

 日本政府が、モスクワとより緊密な防衛関係を構築することが日本の利益になるとみなした場合、それに対する取り組みでは、米国との同盟上の義務がその足かせになる可能性があり、日本は繊細かつ機転の利いた政治運営を迫られるであろう。

 

アントニー・V・リンナ氏は、学術的シンクタンクSino-NKでロシア・ユーラシアを専門とするアナリスト。

これは、最初に「ロシア・ダイレクト」に掲載された記事の要約版である。