ナタリア・ミハイレンコ
私も東京に投票
最後の候補地に残ったのは、三つの都市――東京、マドリード、イスタンブールだった。私自身は東京に投票した。
3都市のなかで、五輪に向けて最も準備が整っており、狂気のような投資もいらないのは東京だ。
金融不安のスペイン
マドリードはそうはいかない。スペイン人は、観光業が高度に発達していることと、五輪施設がほぼ完全にそろっていることを誇っていた。また、開催後、オリンピック村は若い家族の住まいにすると約束した。
周知の通り、スペインは現在、金融危機に苦しんでおり、彼らの論拠は非常な不安の目で見られた。
治安不安のトルコ
イスタンブール代表は、マルマラ海の海底トンネルについて紹介し、同市が二つの大陸を結ぶ要の位置にあり、目覚ましい経済成長を遂げているとアピールした。
五輪開催費用は候補地で最少の約30億ドル(約3000億円)である点も強調した。
だが、安全の問題がある。シリアが隣国で、クルド人問題は未解決だ。私は再三この街を訪れた。五輪が開ける状況とは思えなかった。
フクシマが不安だが
東京は五輪開催の体制・能力が十分だ。総会では環境問題も提起された。フクシマ(福島第1原発事故)からまだあまり時間がたっていない。
安倍晋三首相は演壇に立ち、「汚染水はブロックされており、状況はコントロールされている」と述べた。
多くの委員は安心したが、私は逆に警戒心をかき立てられた。英国やロシアのマスコミは、フクシマ周辺の放射能が基準値を大幅に上回っていると報じたからだ。矛盾である。だが、演説者を信じたい。
必ず実行する日本人
日本は、五輪関連で向こう7年間に10万人の雇用を創出し、11の新施設を建設すると約束している。私はその計画を見て、感銘を受けた。。
私には、日本人の友達がいる。彼らには口にしたことを必ず実行するという素晴らしい長所がある。それが、2020年にも発揮されることを確信している。(談)
ビタリー・ スミルノフ氏、IOC委員
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