歯止めは金融緩和

ニヤズ・カリム

ニヤズ・カリム

ロシア経済は2013年が明けるやいなや、減速し始めた。今年第1四半期の国内総生産(GDP)の伸びは昨年同時期と比べると年率1・6%にまで落ち込んでいる。言うまでもなく、ロシア経済の現状は世界経済の鈍化の傾向を背景としている。急速な減速の原因を分析するとともに、何ができるかを考えてみたい。

 もろもろの因は三つ大別でき、それぞれの性格に応じた対策がなされるべきだとは考える。

 

原因1:石油・ガス依存

 まずグローバルな構造的原因だ。石油・ガスなど燃料の価格高騰のサイクルは終わった。れがロシア済に強く影響している。

  第一に、もはや歳入はこれまでのように伸びない国は重であることめられる(今年度の連邦予算の伸び率は約%だが、昨年度は18%もあった)。

 第二に、石油・ガスなどの燃料部門は産のだぶつきに直面しており新たな投資を行う動機がないことだ。

  原油価格への依存度を減らすためには、予算を編成するあたって近採択された原則を堅持することだ。

 

原因2:国内的な問題

 2番目の原因はり国内的なもので、容易ならざる人口問題も含まれる(働人口の減少

  一働人口はうまく活用されておらず、ロシアのインフラに害要因がいくつもある。

 地方の金融市場は未発達で、長期的なプロジェクトに投資する投資家も地方には少ない。おまけに、投資環境は世辞にも理想的とはいえない。

 ロシア済を成長させる唯一の方法が本を十分増やし、生産性を上げることであるのは明らかだ。

 ところがこれは資環境の改善、十分な資金源とインフラなしには実現できない。

 解決策は明白だ。働市場をより柔軟なものにし、予算配分をより効率的に行う。資環境を改善し、投資額を増や融市場をより効率的なものとし、長期的な資金源を地方に創出する

 だがう簡単ではない。政府の政策にはしい動きが見られるが、その動きは鈍い。

 

原因3:金融政策

 第三の原因は融の連鎖反応だ。出の伸びの鈍化は人消費の伸びで相殺されなら悪くない、現在はそうではない。

 銀し渋りにより国民が金するようになったせいで、人消費の伸びは前より鈍化している。

 こうした状況への対策は金融緩和だの際にスクのある貸し出しを制限するなど・監督のクロ的視野で施することだ。

 これらの策をすべて実行すれば、経済成長率を2.5~3.0で回復でき、4.0~4.5水準に向けてげていくことが可能だ。

 

 マクシム・オレシキン氏、VTBキャピタル社・チーフエコノミスト(ロシア担当)

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