前代未聞の文学マラソン、世界が宇宙がトルストイ『戦争と平和』をTVラジオで音読リレー

 これはもう、前代未聞の文学マラソンだ。ロシアの文豪レフ・トルストイの長編『戦争と平和』がこれで3日もテレビ、そしてラジオで流れ続けている。『戦争と平和』の音読に参加しているのは世界各国から参加する数百人。俳優あり、演奏家あり、スポーツマン、政治家、軍人、一般労働者、なんとトナカイ飼育者もこれに加わっている。その展開規模ではこの試みは世界でも前例がない。プロジェクト「戦争と平和。長編小説を読もう」を率いるのはモスクワ、シャボロフカ地区の全露国営テレビラジオ会社(VGTRK)。

 一人の読み手に与えられた時間はおよそ2分間。この間に音読できるのはだいたい1ページ。2日間で650のフラグメントが読破された。

 プロジェクトを考案し、組織したのはトルストイのひ孫のフェクラ・トルスタヤさん。1年前、フェクラさんは『アンナ・カレーニナ』をオンラインで読み継ぐプロジェクトを組織し、今年9月には「チェーホフは生きている」というキャンペーンを行なった。

 地球最大規模の音読リレーはとうとう地球の枠を飛び出した。国際宇宙ステーションに滞在するロシア人クルーのセルゲイ・ヴォルコフさんもステーションの中から文学マラソンに参加したからだ。

 『戦争と平和』の音読リレーは60時間に及ぶとされている。開始は2015年12月8日。テレビでは「ロシヤ・クリトゥーラ(ロシア文化)」と「ロシア1」チャンネルで、またラジオでは「マヤーク」で放送されている。

 

*「Sputnik日本」より転載

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