ロシアでは、9月~10月初旬は、海辺で休暇を過ごす「ビロードの季節」(ベルベットシーズン)と呼ばれている。
ロシアの南部はまだ暖かく、水温は気温とほぼ同じだ。この表現は、クリミアでの休暇が流行ったおかげで、19世紀末に生まれた。もっとも、当時それは春を指していたが。
4月末~5月初めに、皇室と側近たちはクリミアを訪れて、毛皮製の冬服をエレガントなベルベットの服に替えた。こうして彼らは、社交行事と散策の季節を開始したわけだ。
後にこの表現は秋に関して使われるようになり、9月に人々は、ベルベットの服を着て黒海沿岸にやって来るようになった。これは、盛夏ではなく初秋に南部で休暇を過ごす方が良いことに医師らが気づいたためだ。