1. グムの香り―フランシス・クルジャンの「シエル・ド・グム」
フランスの調香師、フランシス・クルジャンはモスクワを訪れた際、赤の広場にある伝説的なグム百貨店の建物に感銘を受けた。そしてクルジャンは2013年のグム創業120周年に合わせて、この歴史的な場所を記念したオードパルファム「シエル・ド・グム」をリリースした。アンバーの香りが高級感あるブティックの空気を思い出させ、またシナモンと赤い唐辛子の香調はモスクワの第1号食料品店を感じさせ、そして木や花の香りは歴史的な中心部の新年の雰囲気に浸らせてくれる。
価格:70ml入り32,106ルーブル(およそ47,000円)
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2. ロシアの白樺の香り―ラダニカの「白樺の樹液」
ロシアの調香師、エレーナ・マルコワによる「ラダニカ」のクリエイティヴな香りは、「春の新緑の葉と白樺の樹液」と表現されている。2021年3月にリリースされた。「白樺の樹液」には、ホワイトムスク、アルデヒド、乾留液、ハーブが配合されており、「新春の活き活きとしたエネルギー」を1年中与えてくれる。
価格:15ml入り3,950ルーブル(およそ5,800円)
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3. ソ連アニメの香り―ソユーズムルトフィルムの香水
「ウィニー・プーフを訪ねて」はハチミツと煮つめた練乳の香り、屋根の上に住むカールソンはもちろんラズベリージャムの入ったパンの香り。ソ連のカルト的アニメーター、ユーリー・ノルシテインの「霧の中のハリネズミ」は水と大地にジュニパーを加えた香り、そしてチェブラーシカはオレンジの香り・・・。これらはすべてアニメスタジオ「ソユーズムルトフィルム」が、創設85周年を記念してリリースしたオーデコロンである。どの香りもソ連の子供時代と古き良きアニメの雰囲気を感じることができるものというアイデアから生まれている。
価格:30ml入り、1,950ルーブル(およそ2,800円)
購入するならこちらから:Библиотека ароматов
4. シベリアの冬の香り―メモ・パリスの「ロシアン・レザー」
気温はマイナス48℃、雪をかぶった松林、トナカイの群れ、冬の陽光、革の上で溶ける雪片・・・。フランスのラグジュアリー香水ブランド「メモ・パリス」のレザー・コレクションの香りはそんなイメージを呼び起こす。「ロシアン・レザー」には、ミント、ローズマリー、松の香りをベースに、クマル、パチョリ、セージの情熱的なノートが配合されている。またシベリアの冬の森林で感じることができる「フローズン・フゼア」と呼ばれる新たな香調も感じられる。
価格:75ml入り、300ドル(およそ33,000円)
購入するならこちらから: Memo Paris
5. モスクワの若者たちの香り―ゴーシャ・ルブチンスキーとコム・デ・ギャルソンのオードトワレ
ロシアの人気デザイナーと日本のファッション・ブランドが作ったこのオードトワレの香りには、アンゲリシン、ブチュ・エッセンス、ミカン、ヒナゲシ、エゴノキ、ベチバー、パチョリが使われている。香りは、モスクワの公園や広場に漂う「若さと自由」をイメージしたもので、ボトルには、ソ連時代に一世を風靡した香水「赤いモスクワ」のデザインを踏襲し、キリル文字でルブチンスキーと書かれている。
価格:100ml入り、65ポンド(およそ8,000円)
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6. 紅茶の香り―マスクの「ロシアン・ティー」
夏の夜、焚き火、野生の草、ラズベリー、そして魔法瓶から注ぐ熱い紅茶の香り。イタリアの調香師らは、ロシアの森の散策や親しい仲間との語らい、星空の下の焚き火などにインスピレーションを受けて、この香りを生み出した。ベースになっているのは、ラズベリー、ブラックペッパー、ミント、ブラックティー、マグノリア、それに白樺、レザー、乳香が加えられている。
価格:35ml入り、153ドル(およそ17,000円)
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7. ロシアの戦闘機の香り―「チェックメイト」
ガラス、金属、航空機のコックピットをベースにしたのが、この第5世代新型ステルス戦闘機をテーマにした香水。国営企業「ロステフ」とロシア香水連盟が製造した。
香水は航空展示会「ドバイ・エアショー2021」で発売された。
金属合金、ガラス、戦闘機のコックピットの皮革部分のノートに、ジュニパー、パチョリ、オークモスのニュアンスが組み合わされている。
残念ながらこちらの香水は今のところ、限定版となっており、一般には販売されていない。