アップルウォッチにアパートに卵・・・。ロシアではワクチン接種者に対してどんな賞品が用意されているのか?

Sergei Savostyanov/TASS
 ロシア全土で、ワクチン接種奨励キャンペーンが盛り上がりを見せている。「コロナウイルス」懸賞、賞品が当たるキャンペーン、特別割引などがロシアのほぼすべての地域で行われている。ロシアの各地域で、ワクチン接種を受けた人たちは何を手にしているのか?「ロシア・ビヨンド」が取材した。

 ロシアでは国産のワクチンが3つもあるにもかかわらず、人々は最近までほとんど新型コロナワクチン接種を受けようとせず、4月末の時点で2回の接種を終えた人は国民全体のわずか4%にすぎなかった。ここ2ヶ月でその指標は13%に達したが、それでも、秋までにワクチン接種の割合を60%にし、集団免疫を獲得するという政府の計画は非現実的なものになっている。

 ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、629日、「60%の接種達成が不可能であることは明らか。今週になって、ようやくワクチンの接種者の数が少し増加傾向にある」と述べた。ワクチン接種がにわかに進んだのには、2つの措置の影響がある。1つは第3波の到来を背景に、新たな制限が加えられた(レストランの入店の際にQRコードの提示が義務付けられた)こと、そしてもう一つは、ロシア全土でこれまでにないほどのワクチン接種奨励キャンペーンが行われていることである。

 

毎週、自動車5台が当たる!

モスクワ市政府はルノーの自動車が当たる懸賞を行っている。

 医療施設以外での最初の接種会場(赤の広場にあるグム百貨店内にオープンした)では、ワクチン接種を行なった人々全員に無料でアイスクリームを配るというちょっとしたプレゼントが用意されたが、最近この小さなプレゼントは驚くような賞品に変わっている。

 最初、モスクワ市政府は、60歳以上のモスクワ市民全員に、薬局で使える1000ルーブル(およそ1,500円)のクーポンを配ったが、現在は、ルノーの自動車が賞品として登場しているのである。懸賞に応募できるのは、18歳以上で、614日から711日の間に1回目の接種を受けた人である。

 「用意された賞品は全部で自動車20台。いずれも1100万ルーブル(およそ150万円)くらいの価格のもので、毎週、5台当たります」とモスクワ市のサイトには記されている。またサイトには、モスクワには100を超える接種会場があるという情報が掲載されている。「すべての地域にあります。予約ありでも、予約なしでも、どちらでも受け付けます」。

 

アパート

 モスクワでは自動車が賞品として用意されているが、モスクワ州ではアパートが当たる。最初の賞品だった広さおよそ75平米の3部屋のアパートはすでに当選者が決まり、次の賞品は、内装と洗面所、浴室などが整った24階のワンルームマンションとなっている。応募方法は、「国家サービス」サイトの地域のページでキャンペーンのバナーをクリックし、登録するだけである。応募の条件は、ロシアの3種類のワクチン、「スプートニクV」、「エピワクコロナ」、「コヴィワク」のいずれかを少なくとも1回以上接種していることである。

 

賞金、休日、電化製品 

 ロシアの企業でも、モスクワや一部地域で、サービス部門、商業部門などのスタッフの60%のワクチン接種が義務付けられた後、懸賞や賞金でモチベーションアップを行うようになった。たとえば、モスクワのフィットネスクラブ「オレンジ・フィットネス」では、ワクチン接種を済ませたスタッフを対象にアップルウォッチが当たる懸賞を行っているほか、スーパーチェーン「アズブカ・フクーサ」は、ワクチン接種の日に有給休暇を与え、カーシェアリングの「デリモバイル」は、ワクチン接種会場までの料金を全員に70%割引している。

 自動車製造会社の「アフトワズ」は、ワクチンを接種した社員に1,500ルーブル(およそ2,200円) 支給。社員数は35,000人で、すでにワクチン接種を完了した人も受け取ることができる。

 ワクチン接種者に対する現金支給は、国営メディアホールディングの「ロシア・トゥデイ」も行っている。710日までにワクチン接種を行なった人には57,500ルーブル(およそ85,000円)が支払われる。またすでに新型コロナの感染歴があり、抗体を持っている職員は、ワクチン接種がまだ先になってもお金を受け取ることができる。 ロシア・トゥデイのマルガリータ・シモニャン編集長は、自身のテレグラム・チャンネルで「ちなみにこのすべての支払いは、会社独自の資金を使って行なっていることを指摘しておく」と綴っている

 

卵やスマホ 

 ロシアの多くの地域でも、独自のキャンペーンが行われている。ヤマルでは、アップルのスマホや自転車、スピーカー、ヘッドフォン、スマートウォッチなどが賞品となっているほか、トリヤッティのワクチン接種者らは、75,000ルーブル(およそ11万円)の賞金をかけた懸賞に応募することができる。

 トゥーラ州では、接種者に休日を与え、工場の食堂での無料のランチ券を配布している。すでにワクチン接種を行なった人は、コンサート、演劇、展覧会、地元クラブのサッカーの試合に無料で訪れることができる。 

 マガダン州では60歳以上の市民に1,000ルーブル(およそ1,500円)が支給される他、チュコトカの年金受給者らは申し込みをすれば2倍の年金が受け取れ、ワクチン接種をしたハバロフスク地方の年金受給者らには卵10個が配られた。 

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