ヒグマとは違い、この北極品種は冬眠することは滅多にない(子を宿っているメスは例外)、なぜなら、彼らは冬でも狩りが出来るので獲物に困らないからだ。ホッキョクグマは氷の海を休みを取らずに80㌔も泳ぐことが出来る。毛皮が保温瓶のような働きをすることで、北極の厳寒の中でも体温を保つ事が出来るのだ。また、夏には、ホッキョクグマの白い毛皮が、多くの日光を吸収するのに役に立つ。
チュコトカやカムチャツカに生息しているサーベルのような長い牙を持つ巨大なセイウチは、凍り付いた海の真ん中の氷床を寝転がるのが大好きだ。ひどく気持ちいいのか、まるで太陽がいっぱいのソチの砂浜に寝そべる観光客のようである。ロシアでは、寒中水泳愛好家を「セイウチ族」と呼ぶ。セイウチには10㌢もの皮下脂肪があり、そのおかげで水の中で寝ることが出来るほど体温を保つことができる。彼らは、長い牙を使って動き回ったり、ホッキョクグマや鯨なでの天敵から身を守る。
信じ難いことだが、この可愛らしいアザラシが世の中でもっとも寒さに強い動物なのである。このアザラシは北極海に生息しているが、その仲間にはバルト海や、ラドガ湖などのより「暖かい」場所に棲むものもある。ワモンアザラシはほとんどの時間を凍った水の中で過ごし(水の中で10分以上も呼吸を止めることが出来る)、時たま流氷の上で休憩を取ることがある。15㌢もある皮下脂肪のおかげで体が冷えることはない。
ヤクート地方にだけ生息しているこのユニークな馬は、分厚い下毛のおかげで最極寒の中でも平気に動き回る(そして睡眠する)ことが出来る。科学者によると、この馬はアジア起源の原始馬の直接の子孫で、それが環境に適応し、進化の過程で形が変化したのだという。ヤクート馬の馬高はわずか140〜145㌢ほどで、馬重も500㌔程度。性格は人懐っこく、穏やかで、好奇心旺盛である。
ヤクート牛は小さく(身長はわずか120㌢)、とても毛がふわふわしている。ヤクート牛は、ヤクートの厳しい冬に適しており、雪を好む。昨年、オイミャコン(地球でもっとも寒い場所で、通常、冬にはマイナス50℃になる)の農家が、牛の乳を守るための手作りの牛用ブラジャーを作り、公開した。牛は毎日、放牧され、小屋に戻るのは寝るときだけである。
*こちらもご覧ください:ヤクーチヤの農家が牛のためのブラジャーを作った
この犬種は数千年にわたって、この極北地方の先住民族にとっての誠実な友人であった。サモエドの人々は、この犬種を信用し、子守をさせた。また毛が柔らかかったことから、サモエド・ライカの上で眠るのを好んだ。サモエド・ライカはとても活動的で、フレンドリーで、寒い冬に強い。実際、サモエド・ライカは暑い季節が苦手で、夏には小さな穴を掘り、冷たい土の上で休んだ。もちろん、この「趣味」は飼い主を困らせた。特に、都市のアパートに住んでいる人たちにとっては大きな困りごとであった。
世界でもっとも暖かいものといえば、アイダーダウン。北極の海岸とツンドラ地帯に生息する北方のダックの羽毛である。アイダーは石と、毟り取った自身の羽毛の熱を使って巣作りをする。小さなホンケワタガモが寒い冬を生き抜くことができるのはこの羽毛のおかげである。ケワタガモが巣から離れると、この羽毛を集めに人々がやってくることも多い。
多くのロシアの猫にとって、雪はそこまで悲劇的な存在ではないが、冬に長時間外にいることは好まない。しかしながら、サイベリアンは寒い気候に強く、マイナス10〜15℃という気温でも外にい続けることができる。驚くほど長い毛を見れば、その理由が分かるだろう。しかし、凍えるような通りにいることができるとはいえ、それは暖かくて居心地の良い家にいるより外が好きだというわけではない。
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