ルイ・ヴィトンのメンズアーティスティックディレクターのヴァージル・アブローが、新たなコレクションのために、パリの有名な建築物を立体的につけたダウンコートを発表した。これを受けて、モスクワの写真家、ラーナ・サトルはインスタグラムのアカウントで「これがもしパリの建築物でなく、ロシアの建築物だったら?」という疑問を投げかけ、形にした。
2021年1月、ルイ・ヴィトンは実際、メンズ用の建築コレクションを発表した。そのコレクションがこちら。
一方のラーナは、カタログのモデルたちに、ロシアの各都市の観光名所をコラージュで「着せた」。その様々なファッションをご覧いただこう。
写真家のラーナはモスクワやサンクトペテルブルク以外の建物も取り入れることにしたという。ロシアの小都市にもユニークな建築物はたくさんあるからだ。
ラーナさんはロシア・ビヨンドからのインタビューに答え、次のように述べている。「アイデアはふざけて出て来たものです。女友達とチャットをしているときに、ルイ・ヴィトンの立体的ダウンコートのニュースのURLが送られてきたんです。それでわたしは冗談で、わたしならロシアの5階建て住宅の形のダウンコートを作るわと言って、それを作り始めたんです。モスクワとペテルブルクに限定せずに、印象に残った地域の傑作に焦点を当てることにしました」。
またラーナは昔から、公共施設の設計に関心があったという。ラーナは「オムスク・ズジェシ」からのインタビューの中で、コラージュのリストには、図書館、劇場、病院、ピオネール宮殿、サナトリウムなどを含めたと答えている。
「原子力発電所も入れました。というのも、私は気に入っていたのですが、撤去されてしまったからです」。
ラーナによれば、コラージュに深い意味はなく、ただ楽しんだだけなのだそうだ。 そんな作品の一つが、錆びついた船と打ち捨てられた橋である。
「この画像は今でもネットにアップされています。ソ連の建築物を使ったコラージュもインターネットで広がり、しばらくしてまたどこかで見かけることになるかもしれません。理想としては、ルイ・ヴィトンのデザイナーにこの画像を見てもらいたいと思っています。そしてソ連の建築物について意見を聞かせてほしいものです」。