死ぬほど美しい場所は……実は排水のため池(写真特集)

ライフ
エカテリーナ・シネリシチコワ
 ロシア各地の十ほどの熱併給発電所の灰処理場や工場の沈殿池は、まるで宇宙の神秘のようだが、触れるのはとても危険だ。

 「こうした場所は外見的には美しいが、生態系にとっては大きな脅威だ」――これらの写真を撮影してツイッターに投稿したモスクワの写真家アレクサンドル・スハレフ氏はこう書き込んでいる。「Kosmaj Project」の参加者であるスハレフ氏は、今年の夏ロシア全土を旅し、クワッドコプターから工場の工業用貯水池や熱併給発電所の灰処理貯水池を撮影した。

 「この夏、ウラジオストクまでロシア全土を2ヶ月半かけて旅した。地図にこうした点が2つあった。だが、移動するにつれてこの仕事は私を強く引き付け、行く先々の街でこうした湖を探し始めた」と写真家は語る。 

 こうしてステルリタマク市、スヴェルドロフスク州、ジマ市、チュメニ市、沿海地方、カラバシュ、オムスクの廃棄場の写真と、水が有名なリゾートのような鮮やかなトルコ石の色合いを持つノヴォシビルスクの「モルディヴ」の灰処理貯水池の写真が集まった。

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 シベリアの「モルディヴ」の場合、水の色は高濃度のアルカリと、わずか一、二㍍という比較的浅い水深によるものだ。「灰処理場を散歩するのは、軍事演習場を散歩するようで、危なく、望ましいものではない。この水と皮膚が触れれば、激しい鉱化作用で局所的なアレルギー反応を引き起こす」と熱併給発電所の指導部は説明する。 

 灰とスラグが溜められている多くの場所は、化学反応によって特に美しく、写真家らを引き付けている。「死の画家のパレットだ」とスハレフ氏は言う。彼は工業用貯水池の写真を増やしていく計画だ。

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