流出事故は、西シベリアの北極圏にある大都市ノリリスクの西方約10 キロメートルに位置する火力発電所で起きた。先週金曜日(5月29日)、発電所の燃料タンクが損傷し、推定2万トンの軽油が外部に流出して、土壌、2つの小さな川、地元の湖を汚染した。
水曜日(6月3日)の時点で、約100トンの燃料と780トンの汚染土壌が、流出現場の緊急作業員によって回収されている。
しかし、環境への悪影響は続いており、環境団体は、復旧には何年もかかると予測している。
事故は、その深刻さにもかかわらず、ようやく5日後に連邦レベルの緊急事態が宣言された。ロシア当局は現在、責任の所在を明らかにしようとしている。
水曜日(6月3日)の閣議で事故の状況が話し合われたとき、エフゲニー・ジニチェフ非常事態相は、発電所の運営者は、2日間、流出について当局に報告せず、自力で事件に対処しようとしていたと述べた。
「我々政府当局は、緊急事態をソーシャルメディアで知るものなのか?」。ウラジーミル・プーチン大統領はこれを聞いて、NTEKの社長に問い質した。「あなた方はいったい正気なのか?」
流出が起きた火力発電所
ノリリスク・ニッケル報道局火力発電所を運営するNTEKは、ノリリスクに拠点を置く金属大手「ノリリスク・ニッケル」の子会社であるエネルギー企業だが、同企業は、直ちに流出を報告しており、それを証明する書類もあると主張した。
ロシア連邦最高検察庁が事故の状況を調査する。燃料タンクの担当者は拘束されたが、憲法に規定された被疑者の権利を行使したという。
燃料を収集するためのコンテイナー、ノリリスク近くのアムバルナヤ川にて
ノリリスク・ニッケル報道局最初の報道によれば、この燃料流出は、タンクの基礎部分の構造的な破損が原因だった。タンクの担当者によると、タンクは30年以上使用されており、経年変化で壊れた可能性がある。また、気候変動により、永久凍土が構造物の設計時よりも固くなったことも、事故原因として考えられるという。
非常事態省は水曜日(3日)に、流出の影響を完全に消去する安全な計画を有していると述べていた。またその際、燃料の拡散は、火曜日(2日)までに完全に抑えられたと報告していた。これにより、主要な水路へ燃料が広がって北極海に達する事態を防げたという。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。