アニメ「マーシャとクマ」のマーシャ役を演じているのは誰?(写真特集)

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ヴィクトリヤ・リャビコワ
 マーシャの声を演じる女優の片方は専門家になるべく大学に入学。もう一人の女優はYouTubeで独自のチャンネルを運営している。ロシアの有名なアニメ、「マーシャとクマ」のマーシャ役を演じる声優をご紹介しよう。

初代マーシャ役

 「それがこれほど重要な仕事で、それでお金をもらえるなんて思ってもいませんでした」。アニメ「マーシャとクマ」を制作しているスタジオ「アニムアコルド」での長年にわたる仕事を、アリーナ・ククーシキナさんはこう回想する。

 「母と一緒に1ヶ月に1度くらいスタジオにきて、マイクに向かっていくつかのフレーズを話し、ときどき歌ったりして、後にその自分の声をテレビで見ていたんです。ただやりたい放題させてもらって、新しいおもちゃで遊ばせてもらっていただけでした」。

 アリーナは2007年から2015年にかけての最初の2シーズン、マーシャ役を演じた。

 アリーナによれば、彼女がオーディションを受けたのは6歳のとき。広告会社に勤めていた母親の勧めで受けたのだという。オーディションでは、シリーズ1のいくつかのセリフを言わされ、そして数ヶ月後、正式にマーシャ役に選ばれた。

 「わたしは音楽学校に行ったこともなく、声の出し方を教えてもらったこともなかったので、最初は歌うのがとても難しかったです。精神的にもとても大変でした。幸い、ミュージシャンの方たちがどのようにすれば良いのか実際にやって見せてくれたので、わたしは後について、イントネーションや音程を真似て、それを録音すればよいだけでした」。 

 各シリーズのアテレコに1時間半以上かかることは稀で、授業がないときには、手芸や水泳をしていた。

 2013年ごろになって、アリーナの声がきれいに出なくなってきたため、スタジオは新たなマーシャ役を探すようになった。

 ククーシキナさんは、「最後のシリーズを録音したときはとてもつらくて、わたし、監督、そこにいた母、アシスタントの人たち、みんなで泣きました。一つの時代が終わる、とても悲しいときでした」と寂しく振り返る。

 しかし、アリーナはスタジオで音響監督として仕事を続け、新しい“マーシャ”が仕事に慣れるようサポートした。またそれと並行してマーシャの姉のダーシャ役を演じている。アリーナは空いた時間に別のプロジェクトにも参加しており、たとえば「怪盗グルー」のアグネス役も彼女が演じている。

 現在、ククーシキナさんは19歳。ロシア大統領府附属国民経済・行政学アカデミーで、「広告と広報」を専門に学んでいる。

 「将来は声優のコースを受けるかもしれません。今後も、パッと見はいたずら好きだけど、内面は傷つきやすい小さな女の子の役をやりたいです。わたしも身長が低く、150センチほどしかないので、そんな役が似合うのかもしれません」とククーシキナさん。いずれにしても、マーシャは彼女にとって一番お気に入りの役で、ワレーニエの歌も長年にわたって大好きな一曲なのだそう。 

もう一人のマーシャ役(2代目) 

 2015年、新たなマーシャ役に8歳のワルワラ・サランツェワさんが選ばれた。本人によれば、オーディションの数日後に、新しいマーシャ役に選ばれたことを知らされたと言う。そのときは嬉しくて、文字通り、飛び跳ねたと話す

 「マーシャ役を演じるようになったばかりのころは、学校でそれを誰にも話しませんでした。仲の良い女の友達に話しただけでした。今はもうみんな知っています。ときどき、あんな女の子(と背の高い子を指差して)が近づいてきて、写真を撮らせてと言ってきます」。ワルワラさんは2016年のインタビューでこう話している。 

 とはいえ、最初のころは、恥ずかしくて、誰かが次のシリーズがいつ公開されるのか、どんな話なのかと聞かれると、声が出なくなってしまっていたという。またマーシャの声で何かセリフを言ってと頼まれたり、歌を歌ってと言われるとパニック状態になっていたのだそうだ。

 しかし、ときとともに恐怖は消え、ワルワラさんはロシアテレビのいくつかのテレビ番組に出演し、マーシャになりきり、喜んで歌を歌っている。

 ワルワラさんは学校に通いながら、モスクワの児童音楽劇場に所属しているほか、YouTubeのチャンネル「ジャストプレイ」でチャレンジに挑戦している。

 現在13歳のワルワラさんは映画と劇場の女優、そして歌手になることを夢見ている。またディズニーアニメ、とりわけラプンツェルの声を演じたいと思っているのだそうだ。

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