レストランの営業を禁止され、服を脱いだロシアのレストラン経営者とシェフたち

ライフ
ヴィクトリヤ・リャビコワ
 コロナウイルス感染拡大の予防のために導入された自己隔離措置は解除されつつあるが、ロシアのいくつかの地域のレストランやカフェは今なお営業ができないままとなっており、デリバリーのみの収入では従業員に給料を払えない状態となっている。レストランのオーナーたちはこうした状況に抗議するため、新たなチャレンジをスタートした。

 最初のハッシュタグ #голыйголод(裸の餓え)、そして同名のチャレンジは5月15日にカザンのレストランとバーのチェーン店ReLabが投稿したもの。その目的について、経営者たちは、自主隔離体制の間、外食産業が営業を禁止されたことにより収入が絶たれたことに人々の注意を向けるためだと説明した。

 「わたしたちは仕事を始め、収入を得たいのです。これはどこか特定の店のことを指しているのではありません。カザンだけでこのようなレストランやカフェは数千軒あります。わたしたちは何かを要求しているわけでもなければ、最後通告を出しているわけでもなければ、煽動しているわけでもありません。ただ支援や協力をお願いしているのです」。バーの公式アカウントにはこう書かれている

 また投稿にはこの写真プロジェクトのために従業者たちは「ある意味で自分自身を克服し、安全地帯から抜け出ることになった」と指摘されている。

 このチャレンジにはロシア全土のレストランやカフェが賛同した。

 クラスノダールのレストランHoly PlaceとFunky Foodのスタッフたちは、インスタグラムのアカウントの中で、「わたしたちが、市場やDIYショップ、美容院よりリスクが高いと言う理由が分かりません。感染防止のためのすべての規定を遵守するつもりです」と不満をあらわにしている。

 2つのレストランの従業者たちは裸で、 “#голые рестораны/когда конец?”(裸の=貧しいレストラン/終わりはいつ来るのか?)と書かれた紙を持って写真撮影した。

 エカテリンブルクにあるジョージア・レストラン「べセードィ」の発案者、アルビナ・アルヴィンスカヤさんも、ハッシュタグ#вынасраздели(わたしたちを裸にしたのはあなたたち)をつけて裸の写真を投稿した。

 またソチのイタリアンレストランのアカウントには、「わたしたちのビジネスは自主隔離の間、なんの援助も受けられませんでした。もちろん自主隔離が終わったあとも、誰も援助してくれようとしていません。だからわたしたちは裸になって、何もなくなってしまったことを知ってもらおうとしているのです」と書かれている。

 チャレンジにはレストランだけでなく、チーズ製造会社も参加した。

 チーズ製造者のマリヤ・カンディリナさんは「多くの小さなチーズ製造会社がレストランにチーズを出荷していました。できるだけ早く、状況が改善して、営業が再開され、チーズ製造者が完全に働けるようになればと思います。そうでないとエプロン代すら残りません」と綴っている。

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