自己隔離の中、創造力を発揮するロシア人

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ロシア・ビヨンド
 隔離生活は退屈なものだと思われがちだが、ロシアではけしてそうではない。1人の時間をどう使うかは、ロシアではひとえに想像力しだいだ。では一体彼らがどんなことをしているのか、ここにいくつか紹介しよう。

1. 新しいフォト・プロジェクトを立ち上げる 

 今や大きく広がっている#FollowMeToプロジェクトを始めたロシア人写真家で、ネット社会で影響力を持つムラド・オスマンと妻のナタリヤは、新しいフォト・プロジェクトを立ち上げた。ハッシュタグ#followmetohomeがそうで、家に隔離されている人々にクリエイティヴな発想のヒントを与えるのが目的だ。

 インスタグラムのセレブと呼ばれる2人はフォロワーたちにこう呼びかけている。「ネット上で、#FOLLOWMETOHOMEという名の新しい賞を始めた。これは、(私たちもそうだが)自分自身の安全や家族、親族そして見知らぬ人の健康を考慮している人たち、そしてこの隔離生活を何か新しいことをするチャンスにしようと考えている人たちのものだ。人生や仕事を見つめ直し、新しい可能性を発見し、夢を見よう!これまでこれほど長期間、家に閉じこもることなどなかった。しかし、これを前向きに捉えて、楽しんで行こう。あなたも一緒に」。

 すでにこの新たなトレンドを多くの人がフォローし始めている。

2.独自のユーロヴィジョンを開催する

 サンクトペテルブルクで結成されたロシアで超人気のポップレイヴ・グループ「リトル・ビッグ」は今年の音楽コンテスト「ユーロヴィジョン」で優勝すると目されていたが、今大会はコロナウイルス蔓延のために中止された。

 しかし、アーティストたちは希望を失うことなく、ネットで自分たちの音楽コンテストを開くことに。その名も「隔離ヴィジョン」である。

 このコンテスト参加の条件は、その曲が、ウイルス、自己隔離、トイレットペーパー、失業、社会生活など、2020年に直面している新たな現実をテーマにしたものであるということだ。

 このグループのヴォーカルの1人、ソーニャ・タユルスカヤが、まず自己隔離の生活をテーマにした自作の曲を披露し、コンテストのオープニングを飾った。

 そして他のユーチューバーもこれに続いた。

 

3. 再現アート

 ネット上の新しい流行に乗っかるロシア人もいる。不要なものを使って偉大な芸術家の作品を再現しようというものだ。

 彼らは絵画の傑作のオリジナルと新しいバージョンを並べ、タイムリーなセリフを加えて紹介している

 

4. ミームを仕掛ける

 ミームとコロナウイルス感染は現在、切っても切れないものとなっている。余りある時間を使って、人々はインターネットにミーム、ギャグ、笑いを溢れさせている

 

5.買いすぎたトイレットペーパーを有効活用する 

 コロナウイルス感染の初期、ロシアではいくつかの商品が品薄になり、店頭で見かけなくなった。トイレットペーパーもそのひとつだ。しかし、品物が棚から消える心配はないと分かって、人々は大量に買い置きしたトイレットペーパーを使って創造力を発揮している。