最近、このような写真がSNSによく投稿される。コロナウイルスの流行が続く中、モスクワや他の都市の食料品店の商品棚は、異常なほど品薄の状態だと投稿者は言う。
中にはこのところ店でまったく見かけなくなった商品がある。少し前まで棚いっぱいに並べられていたそばの実、お米、パスタ、麺類、小麦粉やトイレットペーパーなどはどこかへ行ってしまったのである。
モスクワに住む人々は、インスタグラムにこのような写真を投稿している。
「今日のモスクワの店の商品棚は極めて嘆かわしい状態だ。居眠りしていると、負けてしまう。人々は店に来ると何でもわしづかみにする。穀物類、パスタ、小麦粉などを十分過ぎるほど。その結果、店に行っても何か付け合わせを買おうと思っても、何もない状態だ。これはほとんど年金生活者の買い物のようである」。
「昨日、食料と他のものを買うついでに、棚が空っぽになっていると言う噂が本当なのか確かめようと店に立ち寄ったら、こういう状態だった」。
「こんなの本当に初めて見た。アシャン(ロシアにあるフランス系ハイパーマーケット)では、棚の半分が空っぽ。シリアル、パスタ、肉や、ウェットティッシュなどが消え去っていた。一体どうなっているの?」
3人の子どもを持つある母親は、インスタグラムにこう投稿している。食料や品物がほんとうに無くなっているとは思っていなかった。でも、みんながヒステリックになると、モノ不足がさらに悪化するので、節度をもって足りない物を買うべきだろう。
当局は、人々に対し、全国的に食料や商品が不足することにはならないと説明することに躍起になっている。プーチン大統領もこれに関して、パニックになる必要はなく、店への品物の供給はいつも通り安定していると述べている。
政府によると店の商品の在庫状況と価格は常に管理されている。
それにもかかわらず人々は状況に不安を感じており、当局からのメッセージにも安心することができずにいる。
ノヴォシビルスクのユーザーは、この当局の説明を信じ、品物を買い急がなかったことを後悔していると告白している。
「一体どこに商品があるのか。昨日、倉庫には商品が溢れているので、将来のための買い占めは控えるようにと言っていたが。これは、ノヴォシビルスクのチェーン店「マリア・ラ」の店舗の1つ。多くの商品はここアルタイ地方の地元のもので、外から運ばれては来ていない。結局、何も買わなかった。ソバの実にはあまり興味ないし。しかし、砂糖や塩などの必需品はどうだろう。野菜のピクルスも。ありがたいことに、一週間前にパスタをいくらか買っておいてよかった・・・」
サンクトペテルブルクでは、防護マスクを着けて、大量の商品を買い込む人たちがいた。これが冗談なのか、真剣なのかはよく分からないが。EditDelete
「人々は狂っている」
いくつかの食料品店が何も心配する必要はないという呼びかける一方で、ここにビジネスチャンスを見出している店もある。たとえばアシャンは、皆が必要としている穀類、トイレットペーパー、ソバの実、パスタ、ウェットティッシュなどをセットにして、「パッケージ」価格(例:44ドル=およそ4,800円)で売り出すなどしている。
スーパーマーケットのチェーン、ピャチョーロチカは、インスタグラムに以下のような声明を掲載した。
「わたしどもの店舗では、いつでも必要なものを購入していただけます。店では仕入れ量を増やし、入荷頻度も多くしています。ご理解いただき、心配されないようお願いします。[この数日間のストックの補充]については、従業員一同、一層の努力をいておりますが、もう少し時間がかかる見込みです。生産者は期日通り商品を納入しており、倉庫にはお客様が必要とする、新鮮で高品質な商品が十分に在庫されています。もし、店舗の商品棚にあるものが不十分だとしても、ご心配されませんように。―明日には倉庫から新たな商品が届きます。つきましては、お客様は本当に必要な数量を慎重に考えて購入していただきますようお願いいたします」。
ロシア人はどうするべきなのか?誰の言葉も信じず買い占めに走るか、それとも冷静になって、当局がすべてをコントロールしているという言葉を信じるか?