「ウイルスは非常にうまく変異した」―コロナウイルスに関するロシア人医師の見解

Ramil Sitdikov/Sputnik
 ロシアはコロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に備えている。新型コロナウイルスに関するロシア人医師の見解をまとめた。

 現段階でロシアでは、253人の感染例が確認されている。この数字は中国やイタリアに較べれば絶望的に多くはないものの、その数は日に日に増加している。ロシアの医師らはパンデミックについてどう考えているのか?そしてこうした状況は今後どれくらい続くのか?医師らの見解をまとめた。

「これは嘘です。子どもも感染しています」と指摘するのは「クリニック・ラスヴェート」の小児科医で、テレグラムの人気ブログ「小児科医の雑感」の執筆者であるセルゲイ・ブトリーさん

 「COVID-19は普通の急性呼吸器ウイルス感染よりも長く、2週間から3週間続き、ときには肺炎をこじらせるのですが、ここで初めて医師や医療機関が介入し、人工呼吸器など、皆さんが恐れているものに頼ることになるのです。基本的に手順は単純です。呼吸困難を感じたらすぐに医者に診てもらうこと。COVID-19による呼吸困難のリスクを下げる効果的な薬や手段はないのです。

 子どもはCOVID-19には感染しない、子どもは大人ほど危険ではないという噂がありますが、これは嘘です。軽症であるとはいえ、子どもも感染します。疫病学的な見解から言えば、いかなる病気の場合も、症状がない、あるいは症状があまりない保菌者がより危険なのです(周囲の人はそこからの感染を防げないため)。最近の研究では、コロナウイルスのすべての感染者の10%までが、症状のない保菌者であるとされています。そこに、子どもたちを抱きしめたり、キスしたりする習慣があること、また子どもには衛生習慣が十分でないことを加味すれば、子どもは高齢者にとって、大人よりも危険かもしれないという結論に行き着くでしょう。ですから、子どもと祖父母との接触を最大限に制限することが大事だと考えています。つまり最終的には子どもの心配をしなければならないのです」。

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モスクワのGMSクリニックの総合医、アンドレイ・べセジンさんは「ウイルスには特別興味深いところもなければ、恐ろしいところもない」と話す。

 「コロナウイルスは体内でかなり強力な増殖力を持っています。コロナウイルスの感染が始まったころ、わたしたちは人から人への感染力は低いものだと考えていました。しかしウイルスは非常にうまく変異し、自分の居場所を見つけたことを証明しました。

 コロナウイルスはこの先、何年にもわたって地球上に広がっていき、季節性の典型的なウイルスの一つとなるでしょう。コロナの類似ウイルスはこの季節の呼吸器感染症全体の10%くらいになります。しかし、わたしたちは今、皆、自宅隔離しており、感染させることはありません。そしてCOVID-19は上気道呼吸器系の一般的なウイルスです。何も特別興味深いものでもなければ、恐ろしいものでもありません。ただし高齢者と重い持病を持っている人は死亡する危険性があります。しかし中国での感染拡大にはなんら不思議な点は感じられません。武漢の2,000万人の人口のうち、感染したのは1万人以下です。また感染者の81%はほぼ症状が見られないか、急性呼吸器ウイルス感染が見られるかです。

 現在、(これは誇れることですが)コロナウイルスの研究のスピードと疾病発生論の理解が世界でもっとも早く、機動的に進んでいます。わたしたちが3ヶ月に満たない期間に受け取った情報の数と言ったら、感染症全般に関して普通1年で受け取る量に値するのです。個人的にはコロナウイルスのワクチン開発の展望には疑問を感じています。研究は行われています。中国もアメリカも積極的にワクチンの研究を進めていますが、同じ亜型のウイルスに効くワクチンの開発に向けた確固とした結果は、残念ながら、まだ一つも出ていません。現段階では、技術的に不可能なのです」。

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小児科医でブロガーの、フョードル・カタソノフさんは「疫病に勝つことができるのは、全体主義体制の国だけだ」と指摘する 

 「この新型コロナウイルスが季節的のものになるだろうと明言するのはまだ時期尚早ですが、そうなる可能性は高いと思います。コロナウイルスがヒトに対する感染力を失うか、あるいは封じ込めに成功すれば、パンデミックは終息します。封じ込めについては、この感染力から考えれば難しい(期待できるのはワクチンのみ)ですが、ヒトに対する感染力を失うということについても、可能性は低い。なぜなら、コロナウイルスは免疫を獲得できないものだと言われているからです。コロナウイルスが嫌う気温上昇と紫外線のある季節が終われば、感染拡大が再び起こる可能性はあります。

 おそらく、パンデミックと戦うことができるのは、感染の事実に対してでなければ(北朝鮮に関するフェイクニュースにあったように)、外出禁止令の違反に対して銃殺されるような全体主義国家だけです。厳しく組織された中国は今回のコロナウイルスとの戦いに成功しました。13億人の人口のうち、3,000人の死亡で済んだというのは素晴らしい結果です。人権が尊ばれる民主主義国家では、このようなことはできないのではないかと思います。 

 一方、致死率について言えば、新型コロナウイルスは今のところ、10歳以上のすべての年齢層で、季節性インフルエンザよりも危険となっています。しかし、50歳以下の患者の致死率は1%以下です。しかもおそらく、この数字はピークが過ぎて、新たな対抗策が現れればさらに下がるものとみられます。おそらく、季節性インフルエンザの指標に近づいていくでしょう。スペイン風邪(2009年に発生した豚インフルエンザやその他の季節性インフルエンザのほとんどのものと同様、A型のH1N1亜型インフルエンザウイルス)は新型コロナウイルスよりももっと危険なものでした」。

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コロナウイルス感染の疑いがある患者が運び込まれることになっているコムナルカ地区にあるモスクワの病院の主任医であるデニス・プロツェンコさんは、「街を封鎖する必要がある」との見方を示している 

 「病院には65歳以上の患者さんもいますが、彼らも症状は重くありません。モスクワでは人工呼吸器をつけている人は一人もいません。現在9人が集中治療室にいますが、それでも重体というわけではありません。

 感染のピークがいつ来るのかわたしたちにも分かりません。ただ自分たちの仕事をこなしているだけです。いつもと何も変わりません。現在、保健のシステムを悪く言うのが流行っていますが、わたしたちの病院のスタッフは非常に優れています。医師たちの素晴らしさには驚かされるばかりです。時間外にも働いていますし、ボランティアも病院に来てくれています。

 マスコミはこのパニックを鎮める努力をすべきです。騒動のせいで、十分な根拠もなく病院に来る人がいて、資源を使い尽くしています。

 健康な人はマスクをする必要はありません。マスクは予防になりません。わたしたちの病院の医師たちは、完全に体を覆う衣服に、2FPレベルのマスクをしています。しかしそのようなマスクを街中でしていれば、騒動を起こすだけです。1枚の薄いマスクで、ウイルスの感染予防は期待できません。予防するには自己隔離しかないのです。医師として、わたしは都市を封鎖するのがよいと考えています。問題は封鎖したときの代償です。そして問題は過度な措置かもしれないということです」。

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