ロシアの特殊部隊スペツナズはどのように選抜されているか

Alexander Kondratuk/Sputnik
 エリート部隊に配属されたい人を待ち受けているのは、汗、血、終わることのない筋肉痛である。

 特殊部隊スペツナズは24時間年中無休で任務遂行する覚悟が必要だ。そこには「疲れた」や「できません」という言葉は存在しないのだ。普通の人々がジムでトレーニングを避けるような言い訳が許せない。この記事では、ロシアの特殊部隊に入隊する方法を説明しよう。

誰が、そしてどこで選抜されるのか

 ロシアの特殊部隊に選抜されるのは、健康カテゴリーの高いランク「A+」(このような人は一般に「牛のように健康」と呼ばれる)やKMCと呼ばれるスポーツランク以上を持つか打撃関連(ボクシングや白兵戦など)で同等のランクを持つ若者だ。

 基本的になんらかの機関出身の若者が選抜されている。最も「一般的な」出身機関は、ロシア連邦保安庁アカデミーやリャザン空挺軍学校だ。しかし、特殊部隊の入隊試験への「招待状」は、しばしば、任務で傑出した成果を収めることができた様々な機構の将校にも送られる。 (実際、誰もが防衛省の「上層部」の中でも、最高の中の最高であることを知っている)。

試験

 選抜に合格するために、候補者は「汗の最後の一滴が絞り出るまで疲れさせ、目標を達成するためにどこまで覚悟ができているかをはかる」という原則に基づいた体力の基準に合格する必要があるのだ。

 試験は早朝に始まる。最初の試験はいつも持久走だ。多くの場合、短距離または中距離(1.5キロメートルまたは3キロメートル)になっている。候補者は、1.5キロメートルの距離を5分15秒以内に走るか、3キロメートルの距離を10分30秒以内に換装する必要がある。これは、ルート全体で少なくとも時速18キロメートルの速度で走らなければ合格できないことを意味している。

 持久走は快適な環境で行われることになっている。陸上競技場でスポーツシューズを履いて行われる。クロスカントリーを戦闘靴や他の軍用ブーツを履いてするわけではない。

 終了後すぐに、候補者たちは鉄棒に連れていかれ、正式には5分間呼吸を整え休むことになっている。しかし実際には、候補者はすぐに、一連の運動(懸垂、腕立て伏せ、腹筋、うさぎ跳び)を20秒間の休憩を挟みつつ実行するように求められる。

 時速18キロメートルを越える速度で走ると、脈拍と心拍数が劇的に上昇し、その後では(普通の生活では絶対に可能な)身体的負荷が非常に難しくなっている。その結果、一連の運動をしている間、目の前が「暗くなる」が、試験に「再試」はないため、続ける必要があるのだ。それで、この一連の動作にはどのような運動が含まれているのだろうか?

 まず、鉄棒で20回懸垂をする必要がある。試験官はちゃんとできているか監視している。腕を最後までまっすぐにしない場合、または顎を鉄棒の上にまで上げない場合はカウントされない)。

 30秒後、腕立て伏せを行う。 60回の「きれいな」腕立てをする必要がある。繰り返しになるが、胸で地面に触れない場合、また腕を1ミリでもまっすぐになっていない場合はカウントされない。

 30秒の休憩の後、腹筋が続く。ここでは、時間が制限されておらず、60回を自身のペースで実行できるため、候補者は最終的に息を整えることができる。しかし「もっと速く」という声に駆り立てられる。

 標準的には、呼吸を整えるため30秒休み、座った状態から60回のうさぎ跳びを開始する。ここでは、心拍数が非常に速いため、文字通り左右によろめき、所定の位置にジャンプすることは言うまでもなく、立っていることさえも難しい。しかし、息を吸うために5秒以上停止してしまうと、試験は終了してしまう。

 試験が終わると、試験官は何回これらの運動を繰り返すことができたかを確認する。また、一つでも「失敗」してしまった場合、特殊部隊への道は閉ざされる。

その後には

 体力試験に合格すると、健康診断と司令部での面接を受けることになる。個人情報は特別な検査を行い、数世代前からの家系全体をチェックする。候補者の祖先の中に祖国の敵、精神障害者、裏切り者はいたかどうかなどを調べるのだ。

 しかし、概して、体力試験で特殊部隊の兵士になることができるかどうかが決まる。特殊部隊では、そもそも肉体的にも精神的にも強い男性が必要であるため、射撃および山岳高山訓練に関する試験は行われない。山を登ることや射撃がうまければなおのこと良いが、そうでない場合は部隊ですべてを訓練するだけだ。

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