ロシアにはどんな種類の友情があるか

Legion Media
 ロシア人は友情というものに対してとても真剣で、社会の中での関係を親しさの度合いや状況に応じてさまざまに呼び分ける手段を持っている。

 一見するとロシア人は少し陰鬱な国民に思えるかもしれないが、実際にはとても人懐っこい。ロシア人はただの付き合いで仲良くなることはなく、よそ者に心を開くことも少ない。だが近しい人の前では、彼らは情熱的で献身的な仲間となる。多くのロシア人は、何十年経とうとも同級生の何人かと連絡を取り続けている。「百ルーブルよりも百人の友を持て」という有名な諺が表す通りだ。とはいえ、ロシア人は人々の近しさの度合いをはっきりと分けている。ロシア人が友人をどう呼び分けているか、またそれぞれの違いは何なのか、以下で解説しよう。

1.ズナコームイ(「知り合い」)

 「ズナコームイ」(女性形:「ズナコーマヤ」)という言葉自体には、ただ「知人」という意味しかない。これは中立的な語で、どのような状況でも誰かのことを丁寧に説明するのに使える[しかし、呼び掛けには使えない――編集部註]。隣人やアパートの清掃人、同僚などを「ズナコームイ」と呼ぶことができる。またこの語は、友人らに彼らの知らない人物について話す際、自分がその人物とどのような関係にあるのかをいちいち説明したくない場合にも使える。ロシア語では、この語はそれが指し示す人物との関係が良いか悪いかは含意しないが、もし親友ではないが互いに愛想良くやっていることを強調したいなら、「ハローシー・ズナコームイ」(「仲の良い知人」)と言うことができる。

 例:エータト リェスタラーン パリェカミェンダヴァール モイ ハローシー ズナコームイ(このレストランは仲の良い知人が紹介してくれた)。

2. プリヤーチェリ(「友達」)

 「プリヤーチェリ」(女性形:「プリヤーチェリニツァ」)は仲の良い知人、相棒、仲間、友人グループの一人を意味する。「プリヤーチェリ」たちは普段から一緒に過ごし、互いの家を訪ね、共通の友人を持つ。一方、彼らの間に親密な関係はない。ただ趣味が同じで、交流するのが好きというだけだ。「プリヤーチェリ」が呼び掛けに使われることは滅多にない。

 例:ムイ ス プリヤーチェリャミ ザヴィースリ ウ イヴァーナ ダ ウトラー(僕はイワンの家で友達と朝まで過ごした)。

 時々ゴプニクが友人のことを、「根っこ」に由来する「コーリェシュ」とか「カリェファーン」とか呼ぶことがある(ギャングに「ルーツ」を持つため)。「キェント」とも言うが、語源は不明だ。これらの言葉は汚いスラングやジャーゴンと考えられているので、教養の高い仲間内では使うべきではない(冗談でない限り!)。

3.タヴァーリッシ(「同志」)

 「タヴァーリッシ」という言葉は、ソビエト時代と関連付けられることが多い(この呼び掛けの 由来に関する記事はこちら)。実際、これは当時公私を問わず互いに呼び掛け合うのにとてもよく用いられた語で、男性も女性も使用した。とはいえ、この語が指すのは主に「比較的親しい友人関係」だ。「タヴァーリッシ」はいくつかのこと(すべてではない)について頼れる人物である。今日では、ロシア人は同僚や学生仲間について話している時に時折この語を使う。

 例:タヴァーリッシ カージュドゥイ ジェーニ プリハジーリ ナヴェスチーチ ミェニャー ヴ バリニーツェ(同僚たちが毎日病院に私を見舞いに来てくれた)。

 年配の人は、お互いを「老人」という意味の「スタリーク」や「スタリナー」と呼び合う。しかし、若者が高齢者をそう呼ぶことは侮辱と受け取られる。

4.ドルーク(「親友」)

 「ドルーク」(女性形:「パドルーガ」)はふつう「友達」と訳されるが、この語は実際には近しい人を指す。「ドルーク」は他の誰よりも信用できる友人だ。概して、信用度が上がるほど、その人は「ズナコームイ」ではなくなり、「ドルーク」になっていく。ロシアの有名な詩人、アレクサンドル・プーシキンも、自身の妻についてある詩の中でこう書いている。「パラー、モイ ドルーク、パラー!」(「時だ、わが友よ、時が来た!」)

 友情の最上級の表現は、「ルーチシー・ドルーク」(最高の友)だ。同時に、「パドルーガ」(「女友達」)という言葉は、親しい関係を含意するが、恋愛関係を表すわけではない。同様に「ドルーク」も「彼氏」というわけではない。

 例:ユーリー ― モイ ドルーク ズ ジェーツトヴァ、ムイ プラシュリー ムノーガイェ ヴミェースチェ(ユーリーは子供時代からの親友で、私たちは一緒に多くのことを経験した)。

 ちなみに、しばしば男性が集団内でお互いを「ブラート」とか「ブラターン」とか呼ぶのを聞くことがある。ともに「兄弟」という意味だが、ただ良い友達ということで、親類ではない。女性がお互いを「スェストラー」(「姉妹」)と呼ぶことは、標準語の許容範囲内だが、滅多に聞かない。

 また、「ドルーク」という言葉そのものは、誰に対する呼び掛けにも使える(「お前さん」くらいの意味)。

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